【野球】“師匠”の背中を追う阪神・遠藤 来季目標は1軍出場とファーム首位打者

 阪神の遠藤成内野手(19)はプロ1年目の今季を「自分が思っていたよりもできないことが多かった」と振り返った。「自分の守備で『これ!』っていうものがなかった」と特にレベルの差を実感したのが守備だ。

 内野は全てのポジションを守り、11失策を犯した。課題は足さばき。シーズン中は平野2軍打撃コーチ(今季まで2軍内野守備走塁コーチ)と共に早出特守に励んでいた。

 平野コーチは徹底して下半身の意識を植え付けさせた。ゴロ捕球の構えをした状態で30秒キープは練習前のウオーミングアップ。特守が始まりミスをすれば、「1、2、3」のかけ声で立った状態から捕球動作に体を沈める。これを20セット。またミスをすれば20セット。とにかく捕球体勢を体にしみこませた。

 普段は感情をあまり表に出さない遠藤。ただ、ミスが続くと「あーっ」、「くそっ」と怒りの感情を出した。これを見て平野コーチは「そうだよ。そうやって悔しさを出すんだよ」と鼓舞。二人三脚での練習はフェニックス・リーグの試合後にも行われた。

 遠征のタクシー移動も一緒。遠藤への取材が長引くと、「おい、そろそろ行くぞ」と声をかけるのも平野コーチだ。20日に行われた甲子園歴史館のオンライントークショー。遠藤は子どもの頃、野球ゲーム「パワプロ」で平野コーチを使用していたことを明かし「指導していただけるので、すごくありがたい」と改めて感謝した。

 来季は打撃コーチとして、指導を仰ぐ。今季はウエスタン62試合に出場し、打率・157。それでもフェニックス・リーグでは18試合に出場し、打率・279を残し、13打点はチームトップ。対応力と勝負強さを見せた。

 来季の目標は「1軍の試合に出場」と「ファームで首位打者」。「打率・280以上は打てるように」と具体的な数字を掲げる。そのために今オフは確実性を上げる打撃フォームを追い求める。

 「三振が多かった」と今季は62試合出場で62三振。改善に向け「逆方向にライナー性の打球を打てなきゃ率も残せない。そこを意識しながら、バットの軌道を点で捉えるのではなく、線で捉えられるような打撃フォームを求めてやっていきたい」と意気込んでいる。

 平野コーチは10年に打率・350をマークし、ベストナインを受賞。二塁手としてゴールデングラブ賞も獲得した。同じ右投げ左打ちの内野手として最高のお手本だ。遠藤はいつも目を輝かせ平野コーチの助言に耳を傾ける。走攻守全てに課題が残る19歳が“師匠”の背中を追いかけ、いつか追い抜いてみせる。(デイリースポーツ・今西大翔)

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