【野球】広島・水本2軍監督 小園、林ら将来の主軸候補に求めるものとは

 1軍とともに、ウエスタン・リーグも6月19日に開幕した。就任5年目を迎える広島の水本勝己2軍監督(51)は今季も「育成重視」の方針をより一層、推し進めていく。一人でも多くの選手を1軍に上げることを目標に掲げ、若ゴイを鍛えていく。

 待ち望んだ開幕を迎え、指揮官の言葉には熱が帯びていた。19日の中日との開幕戦(由宇)は3-2で逆転サヨナラ勝ちを収めた。「開幕戦で勝てたので勢いもつくと思う」と初戦を振り返った。

 昨季は53勝62敗6分けで最下位(5位)に終わったが、2軍は勝敗は二の次だ。「教育というのが主になっている」と指揮官が話すように、いかに選手を育てて1軍に送り込めるかが最大の役目となる。今季も「育成重視」の方針は変わらない。

 昨季、2軍で2年連続の2冠(最多本塁打、最多打点)に輝いたメヒアは、今年6月の対外試合でも本塁打を量産。アピールに成功し、1軍で開幕スタメンの座をつかんだ。このような選手をどれだけ多く1軍に供給していけるか。選手の個々の能力を的確に把握しながら鍛えていく。

 2軍の底上げが1軍のチーム力の強化にもつながる。1軍の首脳陣とも頻繁に情報交換しながら「1軍の戦力が落ちたときや故障者が出たときに、いかに素早く対応できるかという部分も考えながらやっている」と、選手の入れ替えに即座に対応できるバックアップ態勢も整えていく。

 指揮官が期待を寄せるのは、ともに2年目の小園海斗内野手(20)と林晃汰内野手(19)だ。小園は昨季、高卒ルーキーながら1軍で58試合に出場。プロ初打席初安打をマークするなどブレークを予感させた。しかし、今年は対外試合では1軍に帯同したが、開幕直前に無念の2軍降格。指揮官は「技術を上げてほしい」と奮起を促した。林は昨季2軍で102試合に出場し、左の長距離砲として7本塁打を放った。「打撃は成長している」と将来の4番候補として育てていく考えだ。

 試合出場を通して選手の成長も促していく。「ファームの試合は最高の練習。そこを意識して3時間過ぎても集中力を持って自分のプレーをやろうとすることが大事。1軍は全て結果が求められる。そこに向けてどう準備していくか」と、選手個々に高い目的意識を持つことも訴えた。

 若手にとってアピールの場となる2軍戦もしばらくは無観客試合が続く。水本監督は「新聞やテレビでの情報を通してファンの皆さんにも喜んでもらえれば。こういう状況の中で野球が元気を与えていきたい。それは1軍だけでなくファームも一緒。その中で1人でも多くの選手を1軍へ送り込みたい」と力を込めた。(デイリースポーツ・赤尾慶太)

 ◆水本勝己(みずもと・かつみ)1968年10月1日生まれ。岡山県出身。現役時代は右投げ右打ちの捕手。倉敷工では高3夏に主将として甲子園に出場した。松下電器を経て89年にドラフト外で広島入団したが、2年で現役を引退。1軍公式戦出場はなし。その後、ブルペン捕手としてチームを支え、07年途中にブルペンコーチ補佐に就任。3軍統括コーチ、2軍バッテリーコーチなどを歴任し、16年から2軍の指揮を執る。

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