【スポーツ】今季も愛とシブコの一騎打ちか “ネクストシンデレラ”は誕生するか

 2020年女子ゴルフツアーはいよいよダイキン・オーキッドレディース(3月5~8日、沖縄・琉球GC)で開幕する。昨年は鈴木愛(セールスフォース)と全英女子オープンを制して勢いに乗った新鋭・渋野日向子(サントリー)がし烈な賞金女王争いを展開。最終戦まで熱い盛り上がりを見せた。さて、今年は誰がツアーの主役に名乗りを上げるのか。再び鈴木と渋野の一騎打ちになるのか、はたまた渋野に続く“ネクストシンデレラ”が誕生するのか-。

 昨年2年ぶり2度目の賞金女王に輝いた鈴木の優位は今年も動かない。安定感抜群のパット、精度の高いショット、強いメンタルを武器に、昨年中盤戦で悩まされたけがさえなければ、今年も賞金女王の最有力候補だ。

 対抗は言うまでもなく渋野日向子(サントリー)。昨年終盤戦の伊藤園で守りに回って予選落ちを喫したが、翌週の大王製紙エリエールを攻めに転じて制したことで、自分のスタイルが攻撃ゴルフであることを改めて痛感した。今オフは課題のアプローチを徹底的に練習。持ち前のイケイケゴルフに防御も堅固になれば、鈴木の牙城を崩して初の賞金女王獲得も十分チャンスがある。

 鈴木、渋野の争いに割って入るとすれば、安定感抜群の申ジエ、イ・ミニョン、ペ・ソンウ、アン・ソンジュの韓国勢だろう。アン・ソンジュは首のけがが完治すればの条件がつくが、すべてのスタッツで上位を占める4人の力は抜けている。

 98年度生まれの黄金世代も頂点を虎視眈々(たんたん)とうかがう。昨年2勝を挙げた勝みなみ(明治安田生命)はここ2シーズンは中盤戦で短いスランプに陥ってきたが、それがなければ初のマネークイーンの可能性がある。ロングヒッターの原英莉花(日本通運)は今オフに下半身を鍛え、さらなる飛距離を手に入れた。昨年リゾートトラストの初優勝に続く2勝目はもちろん、年間複数回Vを狙えるところまできている。

 原と同じく昨年初優勝を果たした小祝さくら(ニトリ)、浅井咲希(小杉GC)、一昨年初優勝を達成した新垣比菜(ダイキン工業)、大里桃子(伊藤園)はまずは2勝目が目標。未勝利ながら昨年賞金ランクで躍進を見せた高橋彩華(東芝)、吉本ひかる(マイナビ)は悲願の初優勝を狙っていく。黄金世代以外では1学年下で昨年センチュリー21で初優勝を果たした稲見萌寧が注目株。練習熱心には定評があり、今季の急成長が期待される。

 00年生まれのミレニアム世代もルーキーながら実力者がそろった。昨季の富士通で優勝してプロ転向した古江彩佳(フリー)をはじめ、昨年のオーガスタナショナル女子アマ選手権3位の安田佑香(大手前大学)は開幕から優勝を狙っていける存在だ。

 この他、実績ある中堅として成田美寿々(オンワードホールディングス)、穴井詩(ゴルフ5)、比嘉真美子(TOYO TIRE)、さらに昨季2勝して遅咲きの花を咲かせた柏原明日架(富士通)らは年間複数回優勝の力があり、若手のカベとして立ちはだかる。さらに昨年賞金ランク21位と復調著しいイ・ボミ(韓国)はオフに結婚をして私生活も充実。今季は17年CAT以来の復活優勝が見られるかもしれない。

 米女子ツアーを主戦場にする選手では畑岡奈紗(フリー)の力が抜けている。国内ツアー出場試合数は限りがあるが、昨年日本女子プロ、日本女子オープンのメジャー2試合を制したように、少ない試合数でも賞金ランク上位に顔を出す集中力は別格。今年は海外メジャー優勝、東京五輪金メダルが期待される。今年から米女子ツアーに参戦する昨年賞金ランク6位の河本結(リコー)も大ブレークの雰囲気が漂う。ドロー、フェードを打ち分ける技術は男子並みのものがあり、米ツアー初優勝は既に現実的な目標だろう。(デイリースポーツ・松本一之)

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