【野球】巨人・元木ヘッドコーチ、若手選手に「鬼」と化す理由とは…

 2月1日からの巨人宮崎春季キャンプは活気あふれるものとなりそうだ。内野守備兼打撃コーチから転身した元木大介ヘッドコーチが、若手の底上げへ大きな声で若手を鼓舞し、心を鬼にして選手を育て上げようとしてしている。

 「俺は鬼軍曹じゃないだろう」と本人は話すが、選手のためなら時には鬼と化す。昨年の秋季キャンプでの実戦を想定した練習。ミスした選手には原監督が声を発する以上に元木コーチの激しい咤(しった)が飛んだ。年明けに問うと、こう返ってきた。「全員がチームにとって必要な選手になってほしいし、1年でも長く、1日でも長くユニホームを着てほしいんだよね。やるかやらないかは本人次第。次の日にクビだと言われる可能性があるからな」。

 今、接している選手たちには野球選手になった以上、野球でしっかりと生計を立てられるようになってほしいと願うからだ。1月上旬のトークショーでは、自身の引退後の身の振り方での苦労を明かしていた。巨人でそこそこ活躍したこともあり、バラエティー番組や、役者にも挑戦できたが、「野球選手だからっていうのは通用しないんだよ」と厳しさを痛感。プロ野球を引退すれば、セカンドキャリアは新人からのスタート。野球選手のように稼げる仕事はそうそうないと、身をもって知った。だからこそ、レギュラーのチャンスがある若手に、ひとつのポジションを任されるまでになってほしいと願うのだ。

 引退後、U-12の日本代表監督を務めた元木氏は、練習で手を抜いた子どもに「調子に乗って、俺みたいになっちゃいけないよ」と、助言したこともあったという。自身は甲子園で活躍し、次代を担うスター候補生として巨人入りも、33歳の若さで現役を引退。セカンドキャリアでは厳しい現実が待っていた。“もっと練習をしておけば”という苦い経験を後輩にはしてほしくないと思う。1年でも長く、プロ野球選手でいてほしいという願いを込め、春季キャンプでは若手に、ハッパをかけていく。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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