【スポーツ】村田の後輩や天心の幼なじみ、女子ボクシング五輪代表候補は個性派ぞろい

 ボクシングの東京五輪アジア・オセアニア予選(来年2月3日~14日、中国・武漢)と世界予選(同5月13~24日、パリ)へ出場する女子日本代表決定戦が8日、都内の東洋大総合スポーツセンターで行われ、フライ級の並木月海(自衛隊)、フェザー級の入江聖奈(日体大)、ライト級の浜本紗也(日大)が代表権を獲得した。すでに代表に決まっているウエルター級の鬼頭茉衣(鬼頭塗装店)、ミドル級の津端ありさ(西埼玉中央病院)の計5人は、五輪予選での上位進出で出場枠を獲得すれば五輪代表に内定する。

 自国開催枠は2。予選次第で枠はさらに増えるだけに、各選手とも気合十分だ。国内ではプロより早く認可された女子ボクシングだが、五輪出場は今回が初。歴史的一歩を踏み出す代表候補は、個性豊かな面々がそろう。

 フライ級の並木は、153センチと小柄ながらスピードだけでなくパンチ力もあるサウスポー。小柄な体と童顔からは想像できないが、幼稚園から空手、キックボクシングなど格闘技漬けの日々だった。中学入学時に「女の子としてすごそう」と1年間すべてやめてしまったが、「物足りなくなって」と中学2年でボクシングジムへ入会。そこから才能を開花させた。昨年の世界選手権銅メダルの実力者は、今も趣味は女の子らしいお菓子作りで「ガトーショコラが得意」と言う。

 同じ千葉県出身の那須川天心とは同じ空手の支部に所属した幼なじみ。「(那須川は)格闘技界で有名になった。レベルは違うけど自分はボクシングでもっと上に上がりたい」と意気込んでいる。

 また、バンタム級から五輪出場の好機を探して2階級上のライト級で五輪予選の代表権を得た浜本は、ロンドン五輪金メダリストでWBA世界ミドル級王者、村田諒太や元WBC世界バンタム級王者、山中慎介氏を輩出した京都広学館高(前南京都高)のボクシング部出身。当時女子部員はたった1人で、名門の男子にもまれて腕を磨いた。

 大学生となった今は、元WBA世界スーパーフライ級王者、名城信男氏の指導でエディ・タウンゼント賞を受けた藤原俊志トレーナーからも指導を受けている。高校、大学の先輩にあたる藤原氏からは「(ワンツーの)ツーに偏らない、リズムのいいジャブを打てるように」など技術的な助言を受けているという。

 浜本が敗れて階級を上げるきっかけとなったのが、フェザー級で世界選手権8強の入江だ。スピード感あふれるボクシングで将来性豊かな大学1年生。五輪への思いは、鳥取県米子市の小、中学で同級生だった水泳・飛び込みの三上紗也可(米子DC)が五輪代表に内定したことで強まった。2人は来年の東京五輪後に成人式を迎えるため、オリンピアンとして「2人で成人式に出たらかっこいい」と夢を描く。

 くしくもこの3選手とも中学時代に陸上部に所属。基礎体力や下半身強化の土台づくりがあったと明かす。「日本の女子ボクシングは世界でも非常にレベルが高い」と自信を持つ日本ボクシング連盟の内田貞信会長は、「(五輪で)全階級に出られるように頑張ってほしい」と予選での枠取りへ期待を込めた。(デイリースポーツ・船曳陽子)

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