【芸能】上沼恵美子 関西人の心を掴む上沼劇場…毒舌、人情、大衆性、主婦目線

 タレント・上沼恵美子(64)が17日、大阪・万博記念公園で開催された「ABCラジオまつり」に出演し、新曲「時のしおり」など3曲を熱唱した。“関西の視聴率女王”と呼ばれる上沼のパワーは絶大で、「ラジオまつり史上最多」(司会者)という3万5000人が集まった。握手会では感激で泣き出す人も続出。わずか30分間のステージには関西人の心をつかむ“上沼劇場”の要素が凝縮されていた。

 黒いロングドレスで登場した上沼は、簡単な挨拶を終えると、「大阪ラプソディー」を軽やかに歌った。“大阪人”なら誰でも(ティーンは別だが)一度は耳にしたことのある楽曲で、上沼の代表曲。「自分で言うのも何だけど、(歌が)うまい。しゃべってばっかりのオバハンって思われてるけど、歌ったら驚かれるんです」と話すように、ドレスをなびかせての堂々のパフォーマンス…、冒頭からガツンとやられるのだ。

 4年前に同イベントに出演した際は、ショッピングセンターの中の会場で、集客には限界があり、周辺には入りきれない車で“上沼渋滞”が起こった。今回は駅からステージのある広場まで人、人、人の大行列。上沼は「階段の下の皆さん!太陽の塔の裏っ側(がわ)の!ありがとうございます!」と目の前にそびえ立つ万博記念公園のシンボル、太陽の塔に向かいにまでぎっしり埋まった観衆に手を振り、盛り上げた。“そこまで見えてますよ”と具体的な場所を挙げるのも聴衆の心をつかむポイントだろう。

 トークの完成度の高さは言うまでもない。今回は10年ぶりの書き下ろしとなる新曲「時のしおり」のお披露目の場となったが、「今回は応援してください。歌番組にも出させていただこうと思っております。最後のオリジナルになると思っております」「一日一生、と思って、今日が最後と思って頑張っております。ですから皆さんんも頑張って生きていきましょうね、笑って」と高齢者の姿も目立つ聴衆に訴えかける。

 カップリング曲「人生これから」も披露したが、新聞紙上で自身の半生を振り返る連載が始まったことを引き合いに「あんなのやったら、自分が死ぬような気がしますわ。だって、樹木希林さんも(この連載)やったもん。記者の人も『そろそろ上沼もアブナイぞ』、ってそれで(連載)やってると思います」とぶっちゃけトークで会場を沸かせた。

 会場では新曲CDの即売会も行われた。ステージ上で「(CDを買ってくれて)ありがとうございます!ホンマはいらんのやろけど。1300円あったら、味噌買える…」と主婦目線も忘れず、ツッコミ。購入者とは握手会も実施されるということで、用意した2000枚は即完売。握手会は想定を上回る2時間近く続き、感激で泣き出す人も続出。上沼も感極まった表情だった。

 ステージでは、上沼の“毒舌”に期待するファンにもしっかり応える。「沢尻エリカさん、えらいことになりました」と自ら“旬のネタ”についても切り出し、「あの子はそやけど、そのまんまの子でしたね」とバッサリ。爆笑が起こる中、07年の「別に…」騒動に触れ「ホンマに感じ悪いのにも程がある!」と声を張り上げ、会場は“えみちゃん節”に沸いた。「この世界は孤独ですから。頂点にいくほど酸素が薄くなる」という話も説得力を感じさせた。

 上沼の“大衆性”はこれだけではない。「松本さんにM-1(グランプリ)で言うたら(出演依頼したら番組に)、出てくれて。素晴らしい数字(視聴率)いただきました。いい方やわ、松本さん」とダウンタウン・松本人志の話題をしたり、「NHKなめたらアカンのですわ」と全国津々浦々放送されるNHKの“威力”を語るなど、誰もが知っているテーマについてのプチトークも忘れない。

 あっという間の上沼劇場。ステージは午前11時10分から30分間。そう、日曜午前11時40分からは、冠番組「上沼・高田のクギズケ!」(読売テレビ)がスタートすることにも配慮されていた。

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