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【スポーツ】長期離脱中の宇良が歩む復活ロード 支えはファンの声

 右膝を再手術し長期離脱している大相撲の元幕内、西序二段36枚目の宇良(27)=木瀬=の復帰を待ち望むファンからの電話が今も部屋にはしきりにかかってくるという。

 師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)は「これだけ出ていないと普通は忘れられるのにな。『宇良さんは?』って。忘れないファンがいるのはありがたい。炎鵬とか(小兵が)頑張っているから、思い出してくれるのかな。本人も刺激になっているよ」とうなずく。

 秋場所でも炎鵬、石浦(ともに宮城野)、照強(伊勢ケ浜)ら小兵力士が幕内で巨漢力士相手に奮闘し沸かせているが、宇良はまたタイプの違う業師。追い込まれながら土俵際、脅威の粘りで残して信じられない技を繰り出す。親方が命名した“アクロバット力士”の異名そのまま、相撲にはないような動きでファンを熱狂させた。

 宇良は奇手“居反り”の使い手として関学大から角界入り。多彩な技とスピードを武器にスピード出世した。17年名古屋場所では東前頭4枚目まで上がり、元横綱日馬富士から初の金星を挙げて男泣きした。

 しかし、巨漢ぞろいの幕内で無理な体勢の相撲が続けばケガが怖い。そして17年秋場所、土俵際、こらえた際、右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂した。

 手術をへて6場所連続で休場。昨年秋場所、三段目で復帰した。今年初場所は幕下まで戻ったが古傷の右膝前十字靱帯を再び断裂。2月下旬に前回同様、腱の再建手術を行った。春場所から4場所連続で休場している。

 絶頂からどん底、光が見えた時に再びどん底。それでも宇良はまた一歩ずつ上がっている。地道にトレーニング、患部の強化。親方によれば「とにかくストイック。食べ物一つも、こだわってそればかり食べている感じ。今は130キロくらい握力がある」と、驚く程、鍛え抜いている。

 親方によれば、次の九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)での復帰を師弟ともども視界にいれている。「(三段目で)6番じゃなく7番勝たないと意味がない。まだ『怖い』というのがある。治っても『怖さ』がある間は絶対にない。タイミングは難しい。1度失敗しているから。次が勝負。いつでもどこでもいけるという状態を作らないと。体(の筋肉)は落ちていない。あとは気持ち。次、ケガしたら終わり。甘くはない。吹っ切れないと出さない」。

 3度目はない。これがラストチャンス。だからこそ、体もそうだが、土俵際、無理な体勢で残るスタイルを変えるのも必須になる。

 本人は秋場所前、東京・両国国技館で定期健康診断を受け、久々に公の場に姿を見せた。日にやけた体に以前より締まった体。体重は135キロと5キロほど絞られていた。「やれることをやっていくだけ。いろいろ考えてやっている」。あの大声援を再び聞くために復活ロードを歩む。(デイリースポーツ・荒木 司)

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