【野球】飛躍のヤクルト村上支える鋼のメンタル 三振多くてもへっちゃら

 ヤクルト・村上宗隆内野手(19)が、新人王へと歩みを進めている。今季の35本塁打、94打点はリーグ3位と同2位。一方で175三振は日本選手歴代最多を更新した。高卒2年目離れした飛躍の要因。小川監督は「外国人選手と一緒」という強靱(きょうじん)なメンタル面に舌を巻いた。

 村上について話す時、小川監督はよく「すごいよね」とコメントする。19歳が残してきた今季のパフォーマンスは、多くの名選手と接してきた指揮官にとっても驚きだった。

 何が別格なのか。「メンタルが強いんだよ。じゃないと、あんなに三振していて、パカーンと打てない。気にしてないんだよな」と鋼のハートを絶賛する。重なるのは、同じチームの最強助っ人だ。「外国人選手と一緒だよね。気にしてないもん。バレンティンなんかがそう」と実名を挙げて例えた。

 三振しても落ち込まない。落ち込んだとしても、次には引きずらない。助っ人大砲にみられる切り替えのうまさが、将には目に付いた。高卒2年目、レギュラー1年目の選手で、それがシーズンを通じてできていることが、驚きに値するのだろう。

 小川監督の育成方針も、ブレークの助けとなった。三振を積み重ねても「改善しようとして、自分の長所をなくしてしまっては意味がない」と、強みを生かすことに重きを置き続けた。「経験を積めば、三振は少なくなっていくよ」と予見する。

 チーム状況に助けられた部分はもちろんある。キャンプからオープン戦、開幕スタメンという流れは、優先的に与えられた感があった。開幕直後には一塁の坂口が左手親指骨折で離脱。三塁守備に苦しむ村上を一塁へスムーズに移すことができた。ただ、節目節目で19歳がきっちりと結果を残したのも事実。小川監督は年初から「レギュラーを取る人は、勝手に取っていく」と期待していたが、その通りになった。

 リーグタイ記録のシーズン173三振を喫した12日の阪神戦。村上は嫌な話題にもかかわらず、丁寧に立ち止まり「出てしまった結果なので。しっかり受け止めて反省して、来年は克服して減らしていけるように頑張りたい」と向上を誓っていた。史上7人目となる高卒2年目以内の全試合出場まで残り7試合。試合に出続けながら練習できる体の強さ、それを支える鋼のメンタルで、飛躍のシーズンを完走する。(デイリースポーツ・藤田昌央)

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