【野球】広島・三好「真っ白でした」16歳で踏んだ初めての甲子園

 「第101回全国高校野球選手権大会」の熱戦が続いている。7月に楽天からトレードで加入した広島・三好匠内野手(26)は九州国際大付時代を回想。甲子園は1年夏に初出場、高2春は準優勝に輝いた。高校野球ファンに鮮烈な印象を残した聖地の思い出を語った。

 初めて聖地に立った時、まだ16歳だった。福岡県の九州国際大付に入学してわずか5カ月、三好は夏の甲子園に出場。常総学園との初戦は「9番・左翼」でスタメンに名を連ねた。

 「真っ白でした。ここが甲子園かって。中学校を卒業してすぐに甲子園に出たので」

 憧れの舞台で感慨に浸りつつ、いきなり輝きを放った。2-4の四回に打線が爆発。三好も無我夢中で2点三塁打を放った。打者11人の猛攻で5得点を奪って大逆転。8-4で勝利した。九州国際大付にとって夏の甲子園の初白星でもあった。

 3回戦の帝京戦では九回に同じ1年生伊藤拓郎(元DeNA)と初対戦した。3球目にファウルした1球は当時の甲子園1年生最速。「148キロ出ていました。速かったです」。甲子園がどよめく中、チームは悔しいサヨナラ負けを喫した。「一生懸命、思い切ってやりました」。三好は3試合で5安打。がむしゃらに駆け抜けた夏が幕を閉じた。

 高3春、三好はエースとして、聖地に戻ってきた。高城(現オリックス)とのバッテリーで、強豪校を次々と撃破。最も印象に残る一戦は日大三高戦だ。「優勝候補だったので、次の夏も優勝していますし」。三好は初回に先制2ランを放ち、9回7安打2失点で完投勝利を収めた。相手は高山(現阪神)、横尾(現日本ハム)など好選手ぞろい。「自信になった」と三好。若生監督も「最高の投球をしてくれた。満点以上」と大絶賛だった。決勝で東海大相模に敗れたが、準優勝。再び甲子園に出場した夏は2回戦で敗れた。

 恩師は東北の監督時代にダルビッシュ(現カブス)を指導した若生監督だ。「厳しかったです。私生活から掃除、あいさつ…。野球に対する姿勢をよく言われていました」。ダルビッシュの連続写真を見せてもらったこともある。恩師の教えを忘れることはない。

 プロ8年目、26歳の夏は激動だ。7月上旬に楽天から広島に驚きのトレード移籍。新天地では前評判の高かった内野守備に加えて、しぶとい打撃でもアピールしている。初めて甲子園に出場してから10年。今年の夏も三好はがむしゃらに、白球を追い続ける。(デイリースポーツ・杉原史恭)

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