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【野球】故郷・香川で開いた野球塾 甲子園球児を輩出する元オリ戦士

 1軍経験のないまま現役引退後に故郷・香川県に戻り、野球塾を開いて多くの甲子園球児を輩出している元プロ野球選手がいる。かつてオリックス、楽天でプレーした高橋浩司さん(36)だ。

 高橋さんが香川県高松市で開く「高橋野球塾」には現在、小中学生約130人が在籍。プロ野球で培った技術と経験を元に「いい形で投げる、いい形で打つ、いい形で捕る。基本動作を正しく身につけることが大事」と、地元の子供たちにきめ細かな指導を行っている。

 塾の卒業生の多くが高校野球で活躍しており、甲子園に出場した選手も10人を超えた。16年センバツで準優勝した高松商の主砲・植田響介捕手(現慶大)や、今春センバツで好投を見せた同校の現エース・香川卓摩投手(3年)らも教え子だ。

 高橋さんは香川県さぬき市出身。志度高では強打の捕手として活躍し、2000年ドラフト8位でオリックスに入団した。05年に球団合併による分配ドラフトで楽天に入団。同年のシーズン後に戦力外通告を受け、現役を引退した。

 引退後はさぬき市の実家に戻り、実家の家業でもある漁業の仕事に就いた。転機は10年前。近所に住む中学生2人から「野球を教えてほしい」と請われ、指導を始めた。

 「子供たちが上達していくのが僕も楽しかった。プロ野球では1軍の経験もない選手だったけど、役に立てるのなら真剣にやってみようと思いました」

 10年1月に「高橋野球塾」を設立。ハイレベルなレッスンが評判を呼び、受講生が増えていった。16年8月には高松市にある現在の練習場に移転した。町工場の一角を借り、土と人工芝を敷いた縦35メートル、横15メートルの屋内グラウンド。「設備投資にお金はかったけど、十分な広さがあるし、子供たちにいい環境で練習してもらいたいので移転を決めました」。高橋さんはそう振り返る。

 自身が経験してきたノウハウに加え、高橋さんは最新の野球理論も積極的に取り入れる。たとえば打撃練習では、塾生たちはアッパー気味のスイングでボールを飛ばす。米メジャーリーグで生まれ、日本でも浸透しつつある「フライボール革命」だ。「バッティングで一番いい形はホームラン。上からたたいてゴロを打つのではなく、ボールの下にバットを入れてフライを打とうと教えています」。筋力トレーニングやストレッチなども最新のものを学び、指導に生かしている。

 本業の漁業も続けており、「毎朝5時から10時まではカンパチの養殖をしています」と忙しい毎日だ。夏の高校野球香川大会は13日に開幕する。今年も各校に散らばった教え子たちが活躍し、何人かは甲子園でプレーするかもしれない。「塾を卒業した子たちが甲子園に出て活躍するのは大きな楽しみ。でも、それだけが目的ではありません。野球を通して子供たちに成長してもらいたい。僕自身も子供たちと一緒に考え、一緒に野球がうまくなりたいんです」。そんな思いを胸に、故郷の球児の育成に情熱を注いでいる。(デイリースポーツ・浜村博文)

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