【野球】広島商「自分たちの世代でやってやろうと」15年ぶり甲子園への挑戦
「第101回全国高校野球選手権広島大会」が7月12日にマツダスタジアムで開幕する(決勝=27日)。91校90チーム(連合チーム1)が参加し、組み合わせ抽選会は6月29日に行われる。春季広島大会を15年ぶりに制した広島商は、1年からレギュラーを務め、主将で4番の真鍋駿内野手が(3年)チームの柱。好守で勝利に貢献し、チームを15年ぶりの甲子園出場へ導く。
誰よりも懸命に白球を追いかける姿がグラウンドにあった。三塁を守る真鍋は集中力を高めてノックを受ける。「守備に一番力を入れてきたので」。課題克服を目指し毎日のように流した汗。最後の夏に懸ける思いが原動力だった。
「守備が下手と言われて悔しかった。うまくなりたくて毎日ノックを受けてきた。迷惑をかけないようにアウトを取りたい」
1年からレギュラー。長打力が魅力の一方で守備は不安定だった。自らのミスが敗因となったこともある。一発勝負の夏。ワンプレーで試合の流れが大きく変わるだけに確実なプレーが求められる。
荒谷忠勝監督(42)は入学当時の印象を「一番下手だった」と振り返る。それでも「責任感が強い選手。練習は最後まで残ってやっているし、自主練もする。できるようになってきている」。妥協せず貫いた継続力に目を細めた。
チームは春季広島大会で優勝。安定した守備力が勝因だった。決勝トーナメントは6試合で計6失点。失点しても1回で1点以上を取られた試合はない。「ビッグイニングをつくらせず最少失点でしのごうと話をしていた」と真鍋。今夏を想定した負けられない戦いで結果が出たことは自信につながった。
岩本(現広島)が在籍していた04年以来、15年ぶりの聖地を目指す広島商。最近は2年連続で準決勝で敗退しているだけに、「甲子園に出たいとずっと思って練習してきた。自分たちの世代でやってやろうという気持ちは強い」と真鍋。脈々と受け継がれてきた堅守に、さらに磨きがかかったチームを引っ張っていく。(デイリースポーツ・市尻達拡)