【芸能】三浦春馬のストイック過ぎる素顔「キンキーブーツ」ドラァグクイーン役を成立

 ミュージカル「キンキーブーツ」が、評判を呼んでいる。中でもダブル主演の1人で俳優の三浦春馬(29)演じるドラァグクイーンのローラが「美しすぎる」と話題だ。難役をその身にまとい、熱狂を生み出している裏側には、どんな役作りがあったのか。三浦の担当マネジャーを直撃すると、ストイック過ぎる素顔が見えてきた。

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 開幕を翌日に控えた4月15日。公開舞台稽古を前に三浦がローラの衣装、メークで会見場に登場すると、報道陣がざわついた。高いヒールを履いて優雅に歩き、身体は筋肉の鎧で美しく造形されている。

 「キンキーブーツ」は、米ブロードウェイでの初演年度に演劇のアカデミー賞と呼ばれるトニー賞で最多13部門にノミネートされた人気ミュージカル。倒産寸前の高級紳士靴工場を舞台に、オーナーのチャーリー(小池徹平)と、ドラァグクイーンのローラが男性用の女王様ブーツ=キンキーブーツ開発に社運をかける。

 今回は2016年の日本版初演以来、3年ぶりの再演で、リポーターから再びローラを演じることについて聞かれた三浦は「この扮装(ふんそう)ができることが喜びですし、誇りにも思います。(体は)半年前から計画的に作ってきたつもりです」と強いまなざしで語った。

 初演時とはボディーメークの方向性を変え「以前は筋肉質で大きな体を目指していたけど、今回は洗練された体を見せたいと思い、美を追求していった。曲線をキレイにする体作りをしてきました」とボディコン衣装がハマっていた。

 三浦のマネジャーによると「キンキーブーツ」の前に舞台「罪と罰」(1~2月公演)でラスコーリニコフを演じるために、肉と魚、野菜を中心とした食事制限をスタート。いらない脂肪をそぎ落とし、当時は激やせぶりが話題だった。

 「罪と罰」終了後の2月中旬からパーソナルトレーナーをつけて、下半身、背中、上半身の3パーツを3日間ローテーションでビルドアップ。インナーマッスルをいじめるなど「美」をテーマにした役作りに挑んだ。

 読売演劇大賞優秀男優賞を受賞するなど、絶賛された初演時からなぜアプローチを変えたのか。マネジャーは「春馬は『前回は成立するのでいっぱいいっぱいだった。勢いでやりきったと思うんです』と言っていました」と明かす。初輸入で難役、難曲ぞろいな上、高度なパフォーマンスが続くため、初演時には、必死に物語を紡ごうとする出演者たちの勢いが熱量となり、グルーヴを生んだ。

 今回は、日本版演出協力の岸谷五朗も「細かいところを集中してつけられるようになった」と話しているように、前回作り上げた基盤にプラスαを上乗せする細部の作業が可能に。マネジャーは「前回はダイナミックで勢いのあるローラ。今回は、そこに繊細さが加わった」と説明し、ステージ上での進化がそのまま体作りに象徴されている。

 三浦の性格についてマネジャーは「わかりやすくストイックなんです」と評する。三浦の初舞台は、2009年の地球ゴージャス公演「星の大地に降る涙」。ボイストレーナーのレッスンを受けたが「当時は『声が出ません』と言うこともあったし、のどが弱かった。泣きながらやることもありました」と、舞台人生は当初から順調だったわけではないという。

 その後も仕事のたびにレッスンを受けてきたが、近年はさらに意識が高まり「ここ何年かはプロジェクトがなくても、舞台用とミュージカル用のレッスンを定期的に受けています。時間が取れないときは、自宅でスマホを使ってボイトレしたり、移動中の車でも声を出しています(笑)」。その他に英語を勉強し、日本舞踊に取り組み、日常的にジムで体を鍛えているというストイックさだ。

 「凝り性だから、一度コレと思ったら、とことんやる。休みの日でも何かしらしていますし、日々の努力の結果が『キンキーブーツ』に表れていると思います。3年前よりベースが上がっているから、前回はダメな日はダメなまま終わることもありましたけど、今回は修復できている」

 初演後、三浦は2018年の正月休みにブロードウェイで現地のキャストたちと対面するなど、ロンドン版、韓国版と合わせ3カ国のローラに会ってきたという。日々のベースアップに、世界中での“ローラ会議”を重ね、観客を丸ごと飲み込むようなキャラクターを作り上げた。

 1900人キャパの劇場で1カ月近く続く大規模公演ながら、一般発売は5分で完売。圧倒的な期待値を裏切らぬ熱狂には、理由がある。(デイリースポーツ・古宮正崇)

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