【芸能】高田漣 最新アルバム「FRESH」の魅力…師匠・細野晴臣も「喜んでくれた」

 マルチ弦楽器奏者の高田漣(45)が1年半ぶりのオリジナルアルバム「FRESH」を今月6日にリリースした。前作の「ナイトライダーズ・ブルース」(2017年)では、「第59回日本レコード大賞」の最優秀アルバム賞を受賞、一躍認知度を増した。新アルバムの魅力を尋ねた。

 高田は新アルバムについて「ライブをやっている中で、こういう曲もあったらいいなと思って、アイデアが浮かんだら家で録音していて…。それがある程度の量になったので」という。自身の書き下ろし以外にも、“師匠”と慕う細野晴臣(71)の「最後の楽園」、はっぴいえんどの名曲「はいからはくち」をカバー。バラエティーに富んだ内容で高田はサウンドメイクの面でも“マルチ”さを発揮している。

 レコーディングメンバーは、高田とともに細野のライブツアーに参加している伊藤大地(ドラムス)、伊賀航(ベース)、野村卓史(ピアノ)という、いわば“細野学校”の生徒たちだ。高田は「まさにそのメンバーでレコーディングしました。細野さんのおかげでバンドにしてもらってといるという感じ。あうんの呼吸でしたね」と振り返る。

 細野のライブやレコーディングに参加することは、大げさでも何でもなく“細野教授”による授業だという。「リハーサルの時にノウハウを教えてくれるんです。僕らに伝えて残していきたいものがあるんでしょう。細野さんからは、皆さんが思っているより、“こういうサウンドにしたい”という指定がありますよ。細野さんは(できるまで)ずっと待っててくれる。そのうちグルーブをつかんで音楽的体力がついてくるんです」と明かしてくれた。

 いうまでもなく、細野は“日本ロック界の巨人”。高田に言わせると「ギャラもらって勉強させてもらってる感じです。先輩たちも必ずおっしゃるんですけど、“細野学校”の研究生として切磋琢磨(せっさたくま)し、そこで卒論をうまく書いた人が卒業する」流れだそうだ。高田に卒論の現状を問うと「ナイトライダーズが初稿かな。今回が二稿ぐらい。一生かかります」という。

 その細野の新アルバムへの評価は…。高田によると「面白がって、喜んでくれました。ユーモアが大好きな人ですから“シリアスじゃない要素が出てきていいじゃない”ということでした」と笑顔を見せた。

 タイトルの「FRESH」は、文字通り高田の“新鮮”な音を意味するが、一方ではこういう解釈も当てはまる。1970年代の前半に人気を博した米国のロックバンド「スライ&ザ・ファミリー・ストーン」は同名タイトルのアルバムを1973年に発売した。当時、つけられた邦題が「輪廻」。高田は「知り合いの中には、この輪廻を意識したのか?と深読みする人もいましたが、そうじゃありません。でも…」。

 高田は5月末から細野の米国ツアーに同行する。「アメリカの若い子たちが、はっぴいえんどを聴いているんですよ。もう2周りぐらいしているのかな」と不思議な音楽の“輪廻”を感じているという。高田は「はいからはくち」のサウンドをビースティー・ボーイズの楽曲「Root Down」を引用しているが、「Root Down」には「地に足をつけるような、原点回帰」という意味合いもある。

 米国から帰国後は、アルバム発売記念のライブを6月16日に大阪・千日前ユニバース、同23日に東京キネマ倶楽部でライブを行う。高田は「アメリカで細野さんに受けた刺激を披露したい」と意気込んでいる。(デイリースポーツ・木村浩治)

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