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【野球】36歳での海外挑戦へ…前ヤクルト・大松尚逸 なお燃えさかる野球への情熱

 熱かった。師走の寒風が吹きすさぶ中、練習を終えたTシャツに短パン姿のまま、現役続行への思いが詰まった言葉があふれる。強い決意はひしひしと伝わってきた。ヤクルトから戦力外通告を受けた大松尚逸内野手には、36歳にしてなお、プレーへの情熱が燃えさかっていた。

 「引退はいつでもできる。でも、いったん引退してしまうと、戻れないですからね」。NPBで14年を戦い、通算84本塁打。実績十分で、野球への取り組みにも妥協はない。12月に入っても、ヤクルトの2軍施設でトレーニングを続けていた。

 現役にこだわる理由は2つあった。1つは体のコンディション的にプレーが可能であること。2つめは「違った野球を経験してみたい」というモチベーションだ。

 NPB他球団だけでなく、社会人チームへの加入も難しい状況は理解していた。目を向けたのは海外だ。米国独立リーグ、メキシカンリーグなどが候補。元DeNAの久保康友らに話も聞き、環境もリサーチしていた。

 「『全然違う』と。時間も決められてなくて、球場に着いて30分ぐらいで試合が始まるとか。経験してみないとわからないですよね。それが今後生きてくると思うんです」。目指す新天地は、不便で生活面も安全ではないかもしれない環境。それでも、目を輝かせながら挑戦への意欲を語っていた。

 アキレス腱断裂の影響から16年オフにロッテを戦力外となり、17年にヤクルト入団。移籍後の経験が、視野を広げてくれたという。「ロッテで終わっていたら、今回(の現役続行)も考えていなかったと思うんです」。昨季は2本の代打サヨナラ弾などで勝負強さを発揮。何より本拠地・神宮での初打席で、大歓声に鳥肌が立った感覚が忘れられなかった。同じ環境にいては味わえなかった“快感”を教えてもらい「ヤクルトで本当にいい経験をさせてもらったので」と感謝していた。

 米独立リーグは5月開幕。今後は野球教室やイベント出演を行いながらトレーニングを続け、来春の契約を目指す。ヤクルトの球団関係者も「球団に残したかったんだけどね」と惜しんだ真っすぐな人間性。挑戦は来年が最後になり得るという覚悟も持っていた。すべては納得して選手生活を完全燃焼するため。「まだ体が動くし、やりたいという気持ちがあるうちはね」と大松。不屈の男は海を渡る日を心待ちに、バットを振り続けている。(デイリースポーツ・藤田昌央)

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