【スポーツ】小笠原満男 引退会見で願い「東北からどんどんJリーガーが出てほしい」

 21年間の現役生活を終えたJ1鹿島のMF小笠原満男(39)は、28日に茨城県鹿嶋市のカシマスタジアムで引退会見を開いた。引退に至った心境や、クラブへの思いなどを語った中で、故郷東北の復興への思いに触れた。

 「あれから年数がたちましたけど、まだ復興の途中という現実があります。早く復興してもらって、いろんなものの支援とかが終わるのが本来あるべきだと思う。早く元の街に戻ってほしいし、その手助けになりたいと思いますが、早く復興してほしいと言うのが一番の思いです」。

 遠い“復興完了”。今年3月11日にも同じ思いを話していた。練習後に報道陣に対応し、「思うことはいろいろとある。つらい日でもある」と切り出した。「7年でこれしか進まないのかというくらい、復興は遅れている。いまだに仮設住宅で暮らす人もいる。2000人くらいの人が行方不明。原発の影響もある」と問題提起する姿があった。

 昨年12月、岩手県大船渡市の被災した赤崎小学校の跡地が「赤崎グラウンド」として生まれ変わった。雪でも活動できる人工芝グラウンドで、小笠原も完成に尽力した。

 小笠原は引退後について、鹿島の発展に貢献する思いを誓う一方で、「お世話になった岩手、東北地方に恩返しもしていきたい気持ちもあります」と話している。

 同グラウンドでの活動もその1つ。「いろんなカテゴリーの大会を作ってあげてその選手たちを激励にいったりレベルアップさせてあげたりしたい」。継続してサッカーを通じて復興に寄与する思いだ。そして、その先に1つの願いがあった。

 「東北のああいう地からJリーガーが出てきてほしいと思いますし、そういう働きかけができるなら今後やっていきたいと思います。Jリーグ全体を見渡すと、東北、岩手出身の選手が少ないので、同じ東北に生まれ育った人間としてどんどん出てきてほしいなと思います」。

 鹿島の象徴であると同時に、東北の象徴でもあった小笠原。願うはその思いを継ぐ、後輩たちの誕生。「地盤作りは鹿島にいながらもできる。やっていきたい」と目を輝かせていた。(デイリースポーツ・鈴木創太)

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