【スポーツ】こんなにあるの?またやってる…今さら聞けないフィギュアの大会とは

 11月も半ば。ウインタースポーツが本格的にシーズンインする季節がやってきた。フィギュアスケートの話題が増えるこの時期。日本では、16歳の紀平梨花(関大KFSC)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をフリーで2本決め、ショートプログラム5位から逆転優勝を果たしたNHK杯の話題が大きく取り上げられた。

 この時期は毎週フィギュアスケートの大会が行われており、今後(16~18日)はロシア・モスクワで行われる「ロシア杯」に平昌五輪男子金メダリストの羽生結弦(23)=ANA=が出場する。

 ところで、だ。「フィギュアってこんなにたくさん試合をしているんだ」と感じた人もいるかもしれない。フィギュアスケートファンの方々にとって常識だということは重々承知の上で、フィギュアスケートのシーズンの流れについて、改めて解説したい。

 スケート界のシーズン始めは7月。新聞等でも7月からは「今シーズン」と表記する。(もちろん夏の時期はわかりにくいため『新シーズン』などと表記することも多い)。9月ごろから国内外で試合が本格化し、多くのトップ選手が国内の地方大会や「チャレンジャーシリーズ」と呼ばれる試合に出場する。野球で言うオープン戦のような位置づけと考えていいだろう。この時期は新プログラムの“お披露目”も多い。

 10月から国内では12月の「全日本選手権」へ向けた地方大会が開かれる。高橋大輔(関大KFSC)の復帰戦として話題となった近畿選手権は、この近畿ブロック大会だ。前年の結果でシードになっていたり、トップ選手は世界での大会が重なるため、出場免除となっている選手も多い。

 その世界での大会というのが「グランプリ(GP)シリーズ」。10月後半から幕を開ける。GPシリーズとは、世界6カ国(今年は順に米国、カナダ、フィンランド、日本、ロシア、フランス)で開催される大会。10月末から11月末まで毎週末実施される。先日のNHK杯はGPシリーズ日本大会だ。世界ランク等で選ばれたトップ選手は、このシリーズ6戦中2戦にエントリー。順位に応じてポイントが与えられ、2戦の合計点上位6選手のみが「GPファイナル」に進出する。今年は12月7~10日にカナダのバンクーバーで開催される。

 日本人では、男子で宇野昌磨(スケートカナダ1位、NHK杯1位)、女子で宮原知子(スケートアメリカ1位、NHK杯2位)がファイナル進出確定済み。今回のロシア杯には、平昌五輪金メダルの羽生とザギトワ(ロシア)が参戦することとなっており、2人ともファイナル行きを決められるかが焦点の1つだ。

 羽生は13年から16年までシングルスケーターとしては前人未到の4連覇を達成。しかし昨年のNHK杯の公式練習中に負傷し、ファイナル進出を断念した。連覇は途切れたが、今季は男女で単独トップとなる5度目のファイナル制覇が懸かってくる。

 GPファイナルが終わると、日本の頂点を決める「全日本選手権」が年末(12月21~24日)に行われる。この大会の結果から、2月の四大陸選手権、世界王者を決める世界選手権(3月)などの出場選手が決まる。

 長いシーズンで見ると、今はまだ前半戦。とはいえ、シーズンが進むにつれてプログラムに深みが出てくる時期でもある。前戦の反省を生かし、振り付けやジャンプの構成などを“マイナーチェンジ”する選手も少なくない。ファイナル進出を目指した構成で望む選手もいれば、22年北京五輪を見据えながら課題を持って挑む選手もいる。冬はまだここから、さらに面白くなっていく。(デイリースポーツ・國島紗希)

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