【スポーツ】ジョセフHC、ロシア前哨戦もう一つの狙い W杯へあとは精神面

 W杯開幕まであと1年。この秋のラグビー日本代表の強化試合が正式に決定した。

 10月26日に世界選抜(花園)、11月3日にニュージーランド(味スタ)と対戦。その後、イングランド遠征に出向き、17日にイングランド(トゥイッケナム)、24日にロシア(グロスター)と2試合を行う。

 ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)は「次の大きなチャレンジがオールブラックス戦とイングランド戦になる。オールブラックスは世界一、イングランドも昨年は2位。重要な試合になってくる」と話した。

 来年のW杯1次リーグで、日本は9月時点の世界ランキング2位のアイルランド、同6位のスコットランドと戦う。同等かそれ以上の力を持つニュージーランド(1位)、イングランド(4位)との対戦は、世界トップレベルと肌を合わせるまたとない機会となる。

 そして、ロシア(19位)は来年9月20日のW杯開幕戦で対戦する相手でもある。「W杯の初戦で当たるということなので、未知なチームでありますけど、これから相手を探っていきたい」と前哨戦を位置づけた。

 ロシアという、情報の少ないチームを相手にすることで得られるメリットは、ある程度日本の情報流出というリスクを差し引いても十分にある。ただ、ジェイミーHCは「本番を見据え、彼らはわれわれに対し手の内は明かさないかもしれない」と、駆け引きの中で対戦することも織り込み済みだ。。

 ジョセフHCはロシア戦を「これからW杯の準備段階で非常に大事な位置づけになる試合になる」と話した。その理由はもちろん開幕戦の対戦相手だからだからというのが1つ。さらに相手うんぬんではないもう1つの理由があった。

 「自分が就任して最初に欧州遠征したときにウェールズと善戦したあとでフィジーに負けた。メンタル的な忍耐強さや一貫性をもつところを鍛えていきたいと思います。今年もイタリア戦に勝って、次の試合に負けたと言うこともある」。

 16年11月の欧州遠征では、ウェールズと30-33と好試合をした翌週のフィジー戦は25-38で敗れた。今年6月は34-17で圧倒したイタリアと翌週に再戦し、22-25で敗れた。好試合のあとに、燃え尽き症候群的になる。そこに日本代表への指揮官の懸念がそこにあった。

 思えば15年W杯。南アフリカ代表に34-32で勝ち、“史上最大の番狂わせ”を演じた日本は、次戦スコットランド戦で10-45と大敗した。中3日という不利な状況もあったが、そこにも好試合後の敗戦という図式は確かにあった。

 ジョセフHCは繰り返す。「W杯イヤーはテストマッチ以上の十分な準備期間や拘束時間がある。ジャパンも自信をもってフィジカル的に最高の状態で入っていけます。これから鍛えるところはメンタルの部分。しっかりしたマインドセットで、全員が意思統一した形で入っていきたいと思います」。フィジカル面、戦術面にはこれまで築き上げてきたものに自信がある。あとは精神面。心技体を整えて、W杯に臨む思いだ。(デイリースポーツ・鈴木創太)

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