【野球】巨人・石川慎吾、志願の募金活動参加 北海道復興への思い

 9月6日の深夜3時。北海道では前例がないというほどの大地震が起こった。未曾有の災害で、完全復旧にはまだまだ時間がかかる。停電や十分な食糧が確保できてない場所もあり、生活に不自由している方々もまだ、多くいる。プロ野球界も被災地支援を呼びかけ、各球場で募金活動を行っている。

 かつては日本ハムに在籍し、北海道で暮らした経験のある巨人・石川慎吾は12、13日の東京ドームでのヤクルト戦前の募金活動に志願して参加した。ゲート前で募金をするファンにハイタッチをしながら、頭を下げ感謝する姿は“力になりたい”という実感がこもっていた。

 地震後には、主砲の中田ら、ファイターズの選手にも連絡を入れた。「電話をしたら『何も考えられないくらい揺れた』って言っていました。地震で無事じゃない人々も多くいる。北海道はこれから寒くなる時期になるので心配です」。心を痛めた。

 日本ハム選手は地震が起こる前夜、旭川で勝利し、自宅や合宿所のある札幌へ移動した。それぞれの家路に着いた後、就寝中に飛び起こされた未明の震度5強の恐怖体験を聞き、いてもたってもいられなくなった心境になったからこそ、募金を必死に呼びかけた。

 石川にとって北海道はプロ野球選手としての原点でもある。2014年の5月20日。ダイナマイト慎吾は決勝弾となるプロ初本塁打を札幌ドームで放った。初球をたたいた一打に「男は黙って初球から」と名言を吐いた。オフには応援大使を務める上富良野町にも出向き、地元の人ともふれ合った。「温かいファンが多くて、大きな声援をいただいた」と思い出を振り返る。だからこそ、大地震で傷ついた方々がもと通りの生活に戻ってほしいという強い思いを人一倍、持っている。

 今後も被災地復興への活動を続けていきたいという。「募金以外でも恩返したい。何かできることを考えています」。北海道の石川慎吾ファンに野球で活躍して、勇気づけるのはもちろんのこと、北海道に勇気と元気を与えるために動くことを検討している。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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