【野球】広島・中村恭平、1軍定着図る貴重な中継ぎ左腕

 広島・中村恭平投手(29)が覚悟を持ってプロ8年目を歩んでいる。昨年は登板0で「チャンスをもらえるように結果を出さないといけない」とオフから口にしてきた。現在は中継ぎとしての登板が続く中で、1軍定着を図っている。

 5月4日のヤクルト戦。3点を追う六回、5年ぶりに中継ぎとしてマウンドに上がり2回を2安打無失点に抑えた。キレのある直球に100キロ台のカーブなどで緩急をつけ、フォームも今季はしっかり腰を回転させて踏み込む右足に重心を乗せる意識を植え付け「自分自身が違うなって感覚はある」と一定の手応えを持つ。

 これまで年間通じて1軍に定着したシーズンはない。今季は4月11日の阪神戦で初先発したが、4回1/3を4安打4失点、6四球で翌日に降格。それでも約2週間後には再び中継ぎとして1軍でチャンスを得られただけに、その椅子を簡単に手放すわけにはいかない。

 課題も自覚している。最近は中日・アルモンテや巨人・坂本勇に適時打を放たれるなど3登板連続失点。「力みすぎて決め球を引っかけて打たれてしまったり、最後の詰めが甘い。投げきって打たれるのは仕方ない部分もあるけど、自分のミスで打たれているので」と反省する。冷静に投げ切り、確実性を上げることで生き残りも見えてくる。

 愛妻の支えも力にする。昨年2月にタレントの清水ゆう子と結婚。家族を持った責任感は「そんなに変わらないですよ」と笑うが、食事面のサポートなど感謝の思いは強い。「そうやってもらってるので、自分もしっかりやらないとな、とは思います。頑張っているところを見せられれば」と端正なマスクを引き締めた。

 現在はビハインド時や大差でリードする場面での登板が続く。「先のことよりも目の前のこと。チームに必要とされるところでしっかりやっていきたい」と与えられた役割を全うしていく決意だ。チームにとって貴重な中継ぎ左腕。首脳陣の信頼を勝ち取るためにも一歩一歩、着実に前進していく。(デイリースポーツ・田中 哲)

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