【野球】京大・藤原 大阪桐蔭を苦しめた寝屋川エースの弟よりもすごかった

 兄弟とはいえど、似れば似るものだ。京大のエース・藤原風太投手(3年・東海大仰星)が15日の関西学生野球春季リーグで、昨秋王者・関大を相手に延長十二回を投げ、あと一歩まで追い詰めた。

 弟・涼太投手は寝屋川(大阪)の3年生エースで、12日の大阪大会準々決勝で今春センバツ王者・大阪桐蔭を苦しめている。神戸大進学を目指す弟も文武両道を体現しているが、兄はもっとすごかった。

 兄弟の運命なのか。弟・涼太は12日の大阪桐蔭戦で先発。九回2死まで1点リードを守りながら、二塁手がトンネルする適時失策で、同点を許してサヨナラ負けした。

 3日後。京大の兄・風太が王者に挑んだ。1勝1敗で迎えた関大との3回戦。1回戦で自身初完封した勢いに乗り、好投を続けた。

 だが、結末は弟と同様だった。延長十二回1死から三塁手のトンネルをきっかけに、勝ち越されて敗戦。ともにトンネルに泣いた。

 弟は最速135キロで、兄は同137キロ。ともに右腕で打たせて取る投球が持ち味だ。進学校に通いながら甲子園を目指す弟。京大でエースとしてフル回転する兄。ともに文武両道を実践しているが、弟にとって兄は目標だ。兄・風太は常人では考えられない努力で京大に進学している。

 高校は東海大仰星(大阪)。同校は難関国公立大を目指す「英数特進コース」と、部活動にも力を入れる「総合進学コース」がある。風太は「野球をしたかった」と後者を選択した。総合進学コースは2年時に国公立大を目指す「1類」と、私立大を目指す「2類」に分かれる。ここでも「練習時間がなくなる」と後者を選んだ。

 京大進学を決意したのは高2の夏。私学を目指すカリキュラムでは、京大進学に必要な勉強はできない。そのため数学の足りない部分や、授業がない地理は参考書を購入して独学で勉強した。

 午後8時過ぎまで練習し、帰宅後の3時間は次の日の予習。授業中は「自分の勉強をしていました」。模試の成績は常に校内1位。難関国公立大を目指す生徒を上回る成績を残し続け、現役で京大工学部に合格した。

 野球でも力を見せた。センバツに2度出場している強豪で、1年秋に1番を背負った。直後に左足大腿骨を疲労骨折し、以降は思うようなプレーができなかったが、3年夏までベンチ入りした。野球も勉強も全力で取り組む姿は、弟にも大きな影響を与えている。

 京大ではリーグ戦通算4勝。今も文武両道を貫く右腕が、OBの元ロッテ・田中英祐が挙げた8勝を達成するのも夢物語ではない。(デイリースポーツ・西岡 誠)

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