【野球】日本ハム・伊藤打撃投手 記憶に残るイチローの誠実な人柄

 四半世紀以上の時が流れても、青春時代の思い出が色あせることはない。日本ハム・伊藤栄祐打撃投手(45)は、母校・愛工大名電の後輩にエールを送り続けている。

 5月3日、米マリナーズと「スペシャルアシスタントアドバイザー(会長付特別補佐)」の契約を結んだイチロー。世界中のファンと同じように、実戦復帰を願う。

 試合前練習中、札幌ドームのベンチ裏で息を切らす一人の打撃投手がいた。空調が効いているはずなのに、滴る汗は尋常じゃない。中田、レアード、西川ら強打者に今年からドラフト1位・清宮(早実)も加入。海の向こうのレジェンドに届けとばかりに、懸命に左腕を振り続けている。

 イチローは高校時代の一学年後輩。当時の思い出を聞くと、意外にもプレー以外の記憶を話してくれた。「2年からレギュラーで出ていたんだけどね。雑用もしっかりやっていた。炊事、洗濯、全てをね。野球部だけの寮で大変なんだけど、先輩のお世話もしっかりやってたよ(笑)」。走攻守における高い技術はもちろん、礼儀正しく誠実な人柄が印象に残っているという。

 伊藤打撃投手は90年度ドラフト5位で近鉄に入団し、1軍出場がないまま96年に現役引退。その後、現職に就いている。スターダムにのし上がっていく後輩の姿は頼もしく、また励みになっていた。

 「まだ練習してるらしいし、来年も出る可能性があるということだったから。僕は長いことやってほしいと思っていますよ。まだまだ、見たいですよね」

 日本時間13日・タイガースとのダブルヘッダーでは、コーチとしてベンチ入りしたイチロー。今季中の実戦出場がないのは寂しい限りだが、来年3月の日本での開幕戦で電撃復帰する可能性も残っている。「長いことやってほしいですよ」。いつかグラウンドで再会できれば、昔話に花が咲くのだろう。北の大地からのエールは温かく、心に響いた。

(デイリースポーツ・中野雄太)

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