【スポーツ】4年前語っていた夢「ヒーロー」への第一歩踏み出した成田緑夢

 先日まで行われていた平昌パラリンピック。スノーボードで圧巻の滑りで金メダルを獲得した成田緑夢(24)=近畿医療専門学校=の姿を見て、4年前、キラキラとした目で夢を語っていた青年の姿が思い起こされた。

 2014年9月。緑夢は当時、東京五輪の追加種目入りを目指していたウエイクボードのアピール会見に出席していた。あの童夢、メロ兄姉の弟は、やはりただ者ではなかった。会見に出席した緑夢は、明るく、力強く宣言した。

 「夏冬の五輪、そしてパラリンピック。祭典を制覇したいです」。

 13年4月にトランポリンの練習中に左足を負傷。医師からは「最悪、左足切断。歩けるようになる確率は20パーセント」と言われた大ケガだった。最悪の事態は免れたがひざ下麻痺が残り、障害等級6に認定された。あと一歩に迫っていたスキーハーフパイプでのソチ五輪出場は幻に終わった。

 ただ、それでも不屈の精神で復活し、見つけた目標が“祭典制覇”だった。

 当時、冬季五輪種目のスキーハーフパイプは、すでに競技に復帰。夏のパラリンピックに向けては、当時はヨット競技やトライアスロンの練習を開始していた。夏の五輪に向けては、射撃での出場の可能性を探っていた。

 「『1つだけ極める』という日本の文化を変えたい。僕はヒーローになりたいんです」。かつてない偉業への思いを語っていた20歳の緑夢。24歳となった今、平昌大会を終え「今後も小さな一歩を大事に頑張っていきたい」と、未来を見据えた。20年東京、22年北京へ、緑夢の物語は続いていく。

 

 成田緑夢(なりた・ぐりむ)1994年2月1日、大阪市住之江区出身。父隆史さんの指導により、兄童夢、姉メロと同じく様々な競技に取り組み、スノーボードでは98年長野五輪のデモンストレーターを務めた。トランポリンでは10年の全国高校選手権で最高難度点の賞を受賞。スキーハーフパイプでは13年世界選手権代表に選出。ウェイクボードでは14年IWCケーブルシリーズで優勝している。身長172センチ、体重60キロ。

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