【野球】ロッテの新人・藤岡裕、原動力はひたむきさと感謝する気持ち

 3月30日・楽天との開幕戦(ZOZOマリンスタジアム)で、新生・井口ロッテに21年ぶりの記録が生まれそうだ。

 1997年、新人の小坂誠(現2軍内野守備コーチ)が開幕から遊撃手としてスタメンデビューを果たしたが、今年はドラフト2位・藤岡裕大内野手(24)=トヨタ自動車=のスタメン出場が濃厚となってきたのだ。

 キャンプから遊撃の座を巡って藤岡裕、3年目の平沢、ケガからの復活を期す三木、さらには大嶺翔が絡んでの争いになった。

 結果は-。藤岡裕が一歩も二歩も、いや三歩はリードする展開となっている。

 現役時代、遊撃手として鳴らした井口監督は、キャンプでの紅白戦さらには対外試合でほぼスタメン起用を続けている。

 「(チームの中で)だれが見ても抜けた存在です」と評価。打順も1番をメインに2番、9番に起用して開幕への布石を着々と打っている。

 トヨタ自動車時代は1年先輩の源田(西武)の陰に隠れて、外野に回ったことも。だが、強打に加え、「捕球したらもう安心」と評価される守備力は抜群だ。安定したスローイングと遠投120メートルの鉄砲肩が売りだ。脚力も備えている。

 それでも、油断は一切ない。開幕スタメンに、「そういう自信は少しはあるが、確信に変わることはない。変な感情を持たずにひたむきにやっていきたい」と話し、さらに付け加えた。

 「ひたむきにやれば結果はついてくると思います」

 亜大時代は3年秋に首位打者を獲得するなど活躍。プロが注目していた。

 指名は確実と思われていたが、その15年のドラフトではまさかの指名漏れとなった。球団関係者によると、「どの球団も打撃面がいまひとつとの見方だった」という。

 悔しさをバネに、社会人野球の名門・トヨタ自動車で2年間もまれ、16年は優勝した都市対抗で「若獅子賞」を獲得、17年は社会人代表でプレーした。その実力を証明した。

 ひたむきさと同時に“感謝”の気持ちを忘れない。社会人とプロの違いについてこう話している。

 「社会人時代は何をするにしてもすべて自分たちで準備しなければならなかった。(プロの)いまは練習の準備をしていただいている。練習の時間がたっぷりと取れる。スタッフの方々に感謝です」

 1月9日の入寮時、藤岡裕は1枚の色紙を大事そうに手にしていた。トヨタ自動車時代の職場だった生産管理室部品グループの上司・同僚21人からの激励の寄せ書きだった。

 「最後の出社の日にいただいた。応援してくれる方々の期待に応えたいと思います」

 指名漏れの悔しさからはい上がり、トヨタで2年間積んだ鍛錬。

 藤岡裕の原動力はひたむきさと感謝の気持ちだ。21年ぶりに藤岡裕が球団史に名前を残すか-。(デイリースポーツ・菊地順一)

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