【野球】FA移籍の巨人・野上“対話路線”でチームに溶け込む

 4年ぶりのV奪回を目指す巨人。宮崎での春季キャンプは昨年以上のハードな練習メニューとなっている。マイコラスが抜け、先発ローテーションの整備が優勝への条件と目される中、期待されるのが西武からFAで加入した野上亮磨だ。

 移籍1年目を野上は「2018年の目標は先発として2桁、そこは目標にしている」と、1年間ローテを守り、2桁勝利と目標を掲げた。今キャンプは初日から4日連続でブルペン入り。西武時代は200球以上投げたこともあるが、移籍先の巨人でも「考えてますよ。その時は孤独でやります」と例年どおり投げ込み、開幕へむけ仕上げていくプランを立てる。

 キャンプ第2クールを終え、トレーニング中も積極的にチームメートと会話を交わすなど、すっかり溶け込んでる様子だ。「雰囲気もいいですし、順調ですよ」とここまでを振り返る。西武時代もそうだったが、若手とのコミュニケーションを積極的に行っていたが、その姿勢は変わらない。

 姿勢は投球にも生きている。昨年、西武では11勝のうち4勝を日本ハムから挙げたが、チームメートと野球談義を積極的に交わし、強打者を抑えた。一例を挙げると、一昨年に本塁打王を獲得し、昨年も32本塁打を放ったレアードを完璧に封じていた。17打数1安打、被打率0・59。凡打を打たせて、すしポーズを“握らせ”なかった。

 好投の裏には16年まで西武でチームメートだった岸の存在があった。「岸さんが抑えてたんで、岸さんに話を聞いたんです」。岸も16年は19打数2安打7三振と抑えた。その投球を自身にも生かせないかと、情報収集し、自分の投球に生かした。

 30歳となり、中堅で兄貴分的存在となった野上の加入で巨人の投手陣への相乗効果も期待できる。1月の熊本自主トレでは西武時代のチームメートで高橋光や田村、本田といった若手を引き連れ、惜しみなくアドバイスを送っていた。「1月しか一緒にいないさみしさはある。3人には頑張ってほしい」とエールを送った。

 西武時代に兄貴分的役割を担ってきた右腕は、移籍してもその姿勢は変わらない。勝利を命題とされるチームでも冷静さを失わず、優勝に貢献する覚悟だ。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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