【サッカー】ACL本大会出場の柏、難しいミッションに挑む

 サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の本大会出場権をかけたプレーオフが1月30日、各地で行われ、昨季Jリーグ4位の柏はホームでムアントン(タイ)を3-0で撃破。15年以来となる本大会出場権をつかんだ。

 日本での新シーズンでは初めてとなった公式戦。チーム始動からわずか19日間という準備期間で勝利した柏だが、過去の例を見ればACLプレーオフは年間のリーグ戦を戦う上で大きな“鬼門”。アジアへの挑戦権を得た柏にとっては、力量が問われる1年になりそうだ。

 日本勢がACLのプレーオフに参戦するようになったのは、大会の出場枠が本大会3、プレーオフ1となった15年から。出場したクラブの内訳は15年が柏、16年がFC東京、17年がG大阪、そして今年は2度目の出場となった柏となっている。そして今年も含めた過去4年間、すべて昨季のリーグ戦で4位のチームが参戦し、結果は全勝。本大会への切符をつかんでいる。

 昨季は浦和が日本勢としては9年ぶりにアジア王者に輝き、クラブW杯への出場権を得るなど、世界へとつながる意義深い大会だが、ACLとリーグを並行して戦う上で大きな障害となるのが、勝ち進むほどタイトになっていく日程面だ。精神面、肉体面の両面でチームマネジメントが問われるが、特に難しいのがプレーオフから参加したチームだ。15年からの3年間、前年のリーグ戦で4位だった各チームの成績は、15年の柏が10位、16年のFC東京は9位、17年のG大阪が10位と苦戦している。

 その理由に公式戦スタートが通常よりも前倒しとなるプレーオフの存在がある。15年は2月17日、16年は2月9日、17年は2月7日と徐々に早まる傾向があり、今年はついに1月30日がプレーオフの日となった。天皇杯の勝ち上がり状況などによっては、シーズンオフの期間が短くなるクラブも多く、昨年度の天皇杯では準決勝で敗れた柏は、オフの期間がわずか18日。プレーオフの試合日から逆算し、チームの始動日を決めるために致し方ない部分はあるが、これはかなり短い事例と言える。ただ、十分な休養としっかりとした体作りというサイクルには十分とは言えず、これが新年度のリーグ戦の苦闘につながっているのではないだろうか。

 一方で、今季の柏にとってはポジティブな点としては、15年に1度プレーオフに出たという経験があることと、W杯イヤーのために中断期間があることだ。J1では5月20日のリーグ戦を境に中断期間に入り、7月18日の再開までは約2カ月の期間がある。ここでしっかりとコンディションを整えることが、長いリーグ戦を戦うためには肝要となりそうだ。ACLと国内リーグで共に躍進するという難しいミッションに挑む柏に期待したい。(デイリースポーツ・松落大樹)

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