【野球】固定概念にとらわれない広島ならではの来季キャッチフレーズ

 広島は、ファン感謝デーが行われた11月23日、来季のキャッチフレーズ「℃℃℃(ドドドォー)!!!」を発表した。球団によると、「ど」は「努力」「泥臭さ」、シーズンを駆け抜ける「怒涛」の勢い「度胸」「胴上げ」などから取ったもの。それを「熱さ(温度)」と「カープらしさ(C)」を感じる「℃」で表現した。さらに「℃」を3度続けることで、チームに勢いをもたらすという意味が込められた。ユニークなスローガンはカープならではで、ファンからは好評を博している。

 このフレーズの誕生は、球団方針が顕著に表れている。候補数案が提示されたとき、球団幹部はそのデザインの中にあった「℃」の文字に注目した。「これを使って何かできないか」と再考の結果、「℃℃℃(ドドドォー)!!!」に。最後にシーズンを駆け抜けてほしいとの願いで、文字の下に足がつけられた。記号をモチーフにしたキャッチフレーズは、12球団の中で異彩を放っている。

 マツダスタジアムの中堅席にある、寝そべりながら試合観戦できる「寝ソベリア席」は、ヨーロッパの図書館を参考にして設計された。固定概念にとらわれず、常に新しいことに挑戦するのが広島球団のスタイルだ。15年は「真赤激~Burn it up~」で、今季は「カ舞吼!Kabuku-」。2年連続で漢字が主体のキャッチフレーズが続いていた。球団幹部は「一度、何かを変えないといけないと思った」と、スローガン誕生のいきさつを説明した。

 昨今のカープ人気もあり、マツダスタジアムは連日満員。チケットを入手するのが困難な程だ。だが、そんな状況だからこそ、球団は手綱を締めている。「今は、金の時代かもしれないが、いずれ鉄や鉛の時代という苦しいときが来る。今のうちに先を見据え工夫をしないといけない。自分たちで考える癖を、今からつけておかないと、きっと苦しい思いをする」。旧広島市民球場時代には、観客数が100万に届かなかったときもあった。苦しかった時代を教訓として、球団は前に進んでいる。(デイリースポーツ・市尻達拡)

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