【競馬】サトノダイヤモンド、凱旋門賞惨敗から1週間 挑戦し続ける姿勢が光明に

 日本競馬の悲願とされる凱旋門賞制覇は、今年も達成ならず。欧州の馬場に苦しめられたサトノ軍団は、残念ながら完敗に終わった。それでも必死に勝利を目指した関係者の努力は、取材にあたったマスコミの誰もが肌で感じたことであろう。

 個人的にはサトノダイヤモンドの最終追い後に、池江泰寿調教師が会見の場で「フォワ賞後に息遣いが気になったことから喉の疾患を疑い、内視鏡検査を行った」と語った点が印象的だ。多くの人間が関わるこの業界では、包み隠さず全てを明らかにすることが簡単なようで難しい。マスコミが真意を伝達し切れないことが影響し、口を重くした関係者も少なからずいる。そのあたりは我々も勉強しなければならないのだが、大一番を前に堂々と過程を伝えたトレーナーの姿には感服した。

 レース翌週の土曜に東京競馬場で池江師と顔を合わせた。「お疲れさま。また(凱旋門賞へ)行くからね」。敗戦からまだ1週間弱。既に前を向いている姿は実に頼もしく、ノーザンファーム副代表の吉田俊介氏も「いつか勝てるから」と同じように悲観の色は見られない。遠征に帯同した田中博康技術調教師は、翌週の美浦トレセンで「自分も凱旋門賞を勝ちたい」と目を輝かせた。

 馬場適性という根本的な問題の解決は容易でない。昨年のマカヒキが14着、サトノダイヤモンドは15着。記者が懸念していたのは中距離界のエース格が2年連続で惨敗を喫したことによる後遺症、すなわち欧州遠征への意欲低下である。事実、レース後のプレスルームは敗戦というショック以上に、何とも言えない絶望感に包まれたようにも見えた。ただ、今回の出走に関わった誰もがファイティングポーズを崩していない。この姿勢こそが一番の光明。たたき続けることで重い扉は開く。そう信じたい。(デイリースポーツ・豊島俊介)

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