【野球】楽天・ルーキー藤平はいまや連敗ストップの救世主 技術とハートの礎は…

 U-18野球W杯が閉幕したが、1年前、U-18日本代表の一員としてアジア選手権に出場していたのが、楽天・藤平尚真投手(18)だ。昨年の今頃は高校生だった右腕は、8月22日のロッテ戦(ZOZOマリン)で6連敗を、そして5日の日本ハム戦(富山)で10連敗を、新人離れした快投で止める救世主となった。13日、2位浮上の足がかりとして、西武戦(Koboパーク)で先発する。ここでもそのポテンシャルを発揮することができるか。

 梨田監督も、ルーキーの大奮闘に「まさか18歳が2度も止めてくれるなんてね。夢のよう。投げる度に成長している」と手放しで称え、この実力から西武との直接対決への起用を決断した。7回1安打無失点でプロ2勝目を挙げた5日の日本ハム戦(富山)では、あの大谷、中田といった日本を代表する打者たちが、18歳の前にことごとく屈した。

 ネット裏の他球団のベテランスコアラーはこう分析する。「見た目はそこまで脅威を感じない。球速も145キロ前後だし、制球力もいいときと悪いときで差がはっきりしている。だけど打者反応を見ると、スピードガン以上に球が来ているのだというのを感じる。あとは、スライダーの腕の振りが良いところからチェンジアップのような緩い球が来たりして、タイミングを外していたりしているね」。

 そしてこう続けた。「特筆すべきは、カウント球はそこまですごいボールではなくても、打者が打ちに行くとき、ここぞという勝負どころで、決して甘くならない。勝てる投手というのは、そういう投手」と評した。母校・横浜高校の先輩であるロッテ・涌井譲りの卓越した投球術を持ち合わせている。

 高校時代の恩師・平田徹監督(34)は、こう振り返る。「性格的にはちょっと抜けているところがありますが、プレッシャーにつぶされたりということがないので、それが逆に良いのではないでしょうか。それでいて、自分の技術の向上のためなら、準備から試合後の反省から、ストレッチなどの練習メニュー、サプリメントや食事まで、非常に意識が高く余念がなかった」。昨年9月以降、高校野球引退後も、藤平は、自宅から通うこともできたが引き続き寮生活をすることを選び、プロ入りに向け、毎日グラウンドで体を鍛錬する日々を送っていたという意志の強さがある。

 13日は、もちろん2位浮上へのきっかけをつかむための大事な一戦となるが、藤平は、「来年、シーズン始めからローテーションに入るためにも、チャンスになる試合」と、すでに来季への飛躍のステップともとらえている。将来のエースとして歩み始めた藤平に、注目だ。(デイリースポーツ・福岡香奈)

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