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【スポーツ】大相撲にモンゴルの超新星霧馬山 目指すは朝青龍のような横綱

陸奥部屋夏合宿で稽古を終えて笑顔の霧馬山=栃木県足利市
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 人気沸騰中の大相撲で、またひとり、モンゴル出身の新星が輝きを増してきた。西幕下14枚目の霧馬山(21)=陸奥部屋、本名・ビョンブチュルン・ハグワスレン=はいずれは大関、横綱の器といわれる才能豊かな若武者。「目標はモンゴルの大先輩横綱の朝青龍関や日馬富士関」とでっかい夢を語った。

 8月中旬に栃木県足利市で行われた陸奥部屋夏合宿。屋外に設置された土俵で、霧馬山は低い姿勢でのすり足に悲鳴を上げた。「もう、無理っす」。陸奥親方(元大関霧島)から容赦ない声が飛ぶ。「もっと低く!それができなければ、関取にはなれんぞ!」。霧馬山は顔をしかめながら耐え、必死に腰を割る。「そうだ、それでいい!」。親方から合格点をもらうと、ようやくかすかに笑みを浮かべた。

 「もともとは親孝行がしたいと思って日本に来ました。最初は日本語も分からないし、大変なことばかりだったけど、部屋の親方やおかみさんをはじめ、兄弟子がみんな優しくて、すぐに慣れました。今は早く関取になって、恩返しがしたいという気持ちです」

 1996年4月24日、モンゴルの首都ウランバートルから600キロ離れたドルノドゥで生まれた。16歳まではゲルで育った元遊牧民で、2015年に来日し、同年春場所で初土俵を踏んだ。来日当時の身長は現在と同じ184センチだったが、体重は78キロしかなく、まずは体を大きくすることが課題だった。

 「日本に来たてのころは、全然勝てなかったですね。いつになったら強くなれるんだろうと思っていました。だから、まずは食べて体を大きくすることと思い、とにかく食べていました」。体重は2年間で約20キロ増え、今は約100キロ。将来的には125キロ~130キロを目標にしている。

 陸奥部屋の厳しい稽古をこなし、体重も徐々に増えてくると、自然と星も上がるようになった。初土俵から5場所目の15年九州場所では7戦全勝で三段目優勝を果たした。一気に番付を駆け上がるかと思われたが、16年5月場所後に出稽古で左足のじん帯を痛めて名古屋場所を全休。快進撃にブレーキがかかった。

 「前の夏場所で6勝し、初めて幕下に上がる場所の前ということで、張り切っていた矢先にけがをしたんです。名古屋場所を全休したときはつらかったけど、勉強になりました。やはり引くとけがをしやすいです。前へ出ていくことが大事という意味がよく分かりました」

 苦い経験を糧にし、自分の相撲の型もできつつある。基本は押し相撲だが、陸奥親方の現役時代のような吊りや出し投げにも魅力を感じているという。「親方の現役時代の相撲はビデオでよく見ています。やっぱりすごく格好いいです。相撲取りのタイプとしての目標は、朝青龍関や日馬富士関。スピードがある押し相撲を取りたいですね」と抱負を口にした。

 陸奥親方は「霧馬山のいいところは、性格が素直で教えたことを覚えるのが早いところ。四つ相撲の相手と当たってもうまくさばける器用さも持っているが、何よりも前へ出る力をつけることが大事。引いたり下がったりすればけがの危険ある。強く当たって前へ出るという基本に忠実な力士に育てたい」と話す。

 今年は幕下で初場所から名古屋場所まで5、3、6、3勝。もうひとつカベを破れないでいるが、西幕下14枚目で迎える秋場所から2場所連続勝ち越しなら十両昇進の可能性は十分。「まずは(稽古で十両以上に許される)白まわしをつけたい。そうしたらモンゴルに帰り、両親に報告したいです。その日を目指して頑張ります」。バランスのいい筋肉質の身体とイケメンマスクで、関取になれば、人気沸騰は確実。秋場所(9月10日初日、両国国技館)は霧馬山から目が離せない。(デイリースポーツ・松本一之)

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