【野球】最激戦区大阪を制するのは…センバツは決勝対決、春季大会は4強入り3校

 17日に沖縄大会が開幕し、第99回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、甲子園)へ向けた地方大会が始まった。

 全国の中で、今年の最激戦区は大阪だろう。春季近畿大会は、大阪開催だったため大阪から3校が出場したとはいえ、3校とも4強へ進出。野球が盛んな近畿の中でも、レベルが高いことを示した。

 今春センバツ優勝・大阪桐蔭、同準優勝・履正社の2校が優勝候補。春季近畿大会準優勝・東海大仰星、春季大阪大会準優勝・大体大浪商らが2強を追う。さらに昨秋の大阪大会を制した上宮太子、興国、近大付、関大北陽などもスキをうかがっている。

 大阪桐蔭は今春、改めて選手層の厚さを見せつけた。投手陣は横川凱投手(2年)、柿木蓮投手(2年)らが結果を残した。エース・徳山壮磨投手(3年)は健在。香川麗爾投手(3年)、根尾昂外野手(2年)ら最速140キロを超える投手が多数控えている。

 野手は春季大阪大会中に坂之下晴人内野手(3年)、山本ダンテ武蔵外野手(3年)、根尾ら主力がケガで欠場する間に、代役の選手が経験を積んだ。

 さらに左手を骨折してセンバツでは記録員だったプロ注目・岩本久重捕手(3年)が、春季近畿大会からベンチ入りメンバーに復帰。圧倒的な力を見せて春季近畿大会も制しており、夏はさらにレベルアップした姿を見せてくれそうだ。

 履正社も劣らない。今秋のドラフト1位候補・安田尚憲内野手(3年)、4番・若林将平外野手(3年)らが並ぶ打線は全国トップレベルの破壊力を持つ。春季大阪大会はエース・竹田祐投手(3年)を登板させず、夏を見据えた投手陣作りに取り組んだ。同大会は5回戦で東海大仰星に敗れたが、夏は巻き返してくるはずだ。

 大体大浪商はプロ注目の左腕エース・宮本大勢投手(3年)に加え、田村篤史投手(3年)が成長。四田勝康監督(60)は「今までより打力があるし、春に好投手と対戦して『今度はいけるぞ』と思えた」と打線にも自信を見せる。今年の練習試合では、今春センバツに出場した高岡商、滋賀学園を破っている。02年春以来の甲子園出場へ態勢は整った。

 東海大仰星は、春季大阪大会5回戦・履正社戦で、3点を追う八回に5点を奪って逆転勝ちした。派手さはなくても、粘り強いチームだ。同校のラグビー部は全国屈指の実力を持つが、野球部は00年春以来、甲子園から遠ざかっている。4番・仲村和城内野手(3年)は「肩身は狭かったです」。昨秋以降に1日2000スイングで鍛えてきた打線で、久々の甲子園を目指す。

 上宮太子は、エース・森田輝投手(3年)が大黒柱。春季大阪大会準決勝・大体大浪商戦は1-2で敗れたが14三振を奪った。上宮太子は昨秋大阪大会を制しており、一度は大阪桐蔭、履正社の上に立っている。今春のセンバツ出場は逃したが地力はある。

 名門も侮れない。興国はプロ注目の植田健人投手(3年)が投打の軸で、4番・中野翔哉内野手(3年)は、春季大阪大会5試合で5本塁打を放った。近大付は2年生エース・大石晨慈(しんじ)投手がチームをけん引。関大北陽は春季大阪大会4回戦で、大阪桐蔭と延長十一回の熱戦を演じている。

 大阪桐蔭か、履正社が夏も甲子園に出場を果たすのか。それとも2強以外が聖地に立つのか。ノーシードの大阪大会の組み合わせ抽選会は20日に行われる。(デイリースポーツ・西岡 誠)

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