【ライフ】人の顔?アリーナはフィギュアスケートの隠れた名所

 個性的な銀河アリーナの外観
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 野球にサッカーに大相撲など、日々ニュースにあふれているスポーツ界。そんな中、普段のニュースではなかなか取り上げられない規模の大会や、選手の練習に使用されているアリーナ、スタジアムがある。今回は、そんな日本のスポーツを下支えしている舞台に注目。第1回として、銀河アリーナ(神奈川県相模原市)を取り上げた。

 何気なく立ち寄った人はまず外観、そしてエントランスを入れば、豪華すぎる有名選手のサインに興味をひかれるのではないか。神奈川県相模原市の淵野辺公園内に位置する銀河アリーナ。観客席の座席数は1242と中規模ながら、夏はプール、冬はアイスリンクと1年を通して多くの来場者を集めている。フィギュアスケートファンにはよく知られたアリーナだ。

 まずは外観。丸い窓が平行に並び、その下には大きな飾り窓、さらにその下にエントランスが配置。まるで、人かロボットの顔のようにも見える。

 銀河アリーナの担当者は「建物が中央広場とはさんでサーティーフォー相模原球場と向かい合うことから、球場の曲面の要素を、屋内体育施設の外壁に採用し、のびやかさを表現することが意図されました。屋根は中央でふくらんだ“たる型”の曲面として、アリーナを柔らかく包みこむと同時に、できるだけ軒を低く見せることが目指されました。屋外階段は、観客の主動線となるものなので、階高を少しでも抑える形になりました。結果的に『公園の中に棲む甲虫』をイメージさせる形となり、子供たちにも親しまれる建物となるよう、細部のデザインが検討されました」と説明。隣接する野球場との調和を目指した結果、副産物的にカブトムシやカナブンをイメージした個性的な外観ができあがったようだ。

 ロビーに入れば、フィギュアスケーターのサインが数多く展示されている。浅田真央や村主章枝、高橋大輔や織田信成ら国内トップ選手はもちろん、キム・ヨナ(韓国)やエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)にカロリーナ・コストナー(イタリア)ら海外勢のものも数多い。

 2015年1月には上記の数選手も参加したアイスショー「かながわフィギュアスケートフェスティバル」が開催されている。また、競技者の練習に対応するため冬季には午前2時半まで営業されている。

 フィギュア界との深い関わりはなぜか。担当者によると、相模原市スケート協会の会長や理事が、神奈川県スケート連盟および日本スケート連盟の要職を兼任していることが挙げられるという。毎年11月上旬から4月下旬、毎週日曜日の早朝に開かれるスケート教室には、常時350~400人が参加するなど、地域のスケート熱が高いことも大きい。また、アイスリンクの製氷に業界最大手の一角、パティネレジャー社が関わっており、氷質の良さも一因ではないか、とのことだった。

 規模は決して大きくなくとも、トレーニングルームや軽食堂も備えている銀河アリーナ。担当者は「これからはプールを、冬になればアイスリンクを利用していただき、今まで以上に皆様に愛されるアリーナとなれるよう頑張りたいです」と話していた。(デイリースポーツ・山本鋼平)

【銀河アリーナのアラカルト】

◆住所  神奈川県相模原市中央区弥栄3-1-6(淵野辺公園内)

◆開館 1991年1月20日

◆建築面積 4,693.67平方メートル

◆延床面積 10,838.38平方メートル

◆構造 鉄骨鉄筋コンクリート造4階建

◆観覧席 1242席(車椅子スペース10席)

◆アリーナ名 公募により決定。164作品の中から、照明に輝くリンクとプールの水のきらめきが銀河のイメージに通じ、夢のあるものとして選出。また、淵野辺公園は、相模原市はじめ文部省宇宙科学研究所の研究施設がある5市町(当時)が、それぞれ“共和国”となって展開している「銀河連邦」の建国式(1987年11月)が行われた場所であることも考慮された。

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