【野球】大阪躍進の秘密 なぜセンバツ決勝で大阪対決になったか

 大阪桐蔭の優勝で終わった今年のセンバツ。決勝戦が象徴したのは、大阪勢の躍進だ。デイリースポーツ紙面でおなじみの「デイリー特命スカウト」が、大阪の高校野球が熱い理由を分析した。

 スカウトになって20年以上。ネット裏から高校野球の時代の移り変わりを見てきたが、今年の大阪勢は特にレベルが高かった。では、なぜ近年これほど大阪勢が躍進しているのか?

 ひと昔前、大阪出身者は大阪代表で甲子園に出ることが夢だった。皆がPL学園や上宮、浪商(大体大浪商)らトップチームからの甲子園出場を目指した。

 しかし、バブルがはじけ、選手の親の経済的な問題が重なると、大阪府外の高校へ特待生制度を利用して野球留学する中学生が急増。一時は東北や北海道のチームは関西出身者だらけと言われたものだ。

 そして、またも時代は変わる。橋下前知事が推し進めた高校の授業料無償化によって、収入の条件を満たせば基本的に授業料が無償となった。これまで大阪府外へ出ていった能力の高い選手の大半が、同じやるなら大阪でと、その制度を使って大阪府内の強豪校へ進学するようになった。

 史上初の大阪対決の決勝となった春を終え、夏の甲子園では大阪桐蔭と履正社のどちらかしか見られないのは残念だが、高校野球が世相を表していることは興味深い。(デイリースポーツ・特命スカウト)

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