【スポーツ】大相撲の高安は夏場所で大関になれるか?

 西関脇で臨んだ大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)で12勝を挙げた高安(27)=田子ノ浦=は夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)で目標とする大関昇進をつかむことができるのか。本紙評論家の友綱親方(元関脇魁輝)、武蔵川親方(元横綱武蔵丸)をはじめ、ベテラン嘉風の意見を参考に占ってみた。

 大関昇進の目安は直近3場所の白星合計が33勝とされている。高安は初場所で11勝をマークしているので、夏場所の当確ラインは10勝。必要勝ち星が13勝、12勝の高い数字となれば、そう簡単ではないが、10勝でOKとなれば、昇進のチャンスはかなり大きい。

 データの上からも、10勝到達の可能性は十分にある。昨年夏場所からの1年間の勝ち星を振り返って見ると、9、11、10、7、11、12となっており、6場所中4場所で2桁白星に到達。6場所の合計勝ち星は60で、1場所の平均勝ち星はピタリ10勝となる。

 力をつけてきているのは間違いないわけで、幕内審判長として土俵下から鋭い目を光らせてきた友綱親方はこう見る。

 「高安は好不調の波が小さくなって、相撲に安定感が出てきた。その理由としては、課題だったスタミナがついてきたことでしょうね。以前は終盤戦になるとアップアップしていたが、このところそういうことがなくなった」

 確かに1度目の大関取り挑戦の権利を確定した昨年秋場所は10勝したものの、終盤戦13日目から3連敗と“ガス欠”状態で場所を終えた。対して先場所は初日から10連勝後に3連敗したが、14日目、千秋楽に勝ち、盛り返す形で場所を終えている。

 現場の声も聞いてみよう。先場所13日目に押し出して高安に土をつけた35歳のベテラン嘉風はこう成長を感じ取っている。

 「高安は強くなっていますよ。今、かなり強いと思う。上から目線で言うわけじゃないんですが、左を差されたら絶対に勝てない」

 気持ちの上でも前回の大関取り場所(昨年九州場所)とは大きな違いがあると指摘するのは武蔵川親方だ。

 「その違いの原因はやっぱり部屋に新横綱の稀勢の里がいて、2場所連続で優勝していることだよ。しかも先場所は奇跡的な逆転優勝だったんだから、部屋の中のムードが違うんだな。嫌でも明るくなるし、前向きになる。高安が今度はオレがって思わない方がおかしいよ。夏場所でやってくれるんじゃないか」

 夏場所は兄弟子・稀勢の里の3場所連続優勝と並んで、弟弟子の動向からも目が離せない。(デイリースポーツ松本一之)

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