【野球】大阪桐蔭・西谷監督とおみくじ

 「僕はおみくじは引かなくなりました。だって悪いのが出たらイヤじゃないですか」。こう言いながら笑ったのは大阪桐蔭の西谷浩一監督(46)。4日に同校グラウンドで初練習が行われた際、初詣のことを問われ自らのポリシーを明かした。

 年明けの取材では「おみくじを引いた?正月はどう過ごした?」などと選手に聞く。すると、ほとんどの取材対象者がおみくじを引いている。大吉なのか、吉なのか、それとも凶なのか…。書かれていた文節を教えてもらい、そのまま記事にしたこともある。

 「もちろん家族で近所の神社に初詣に行きますよ。今年も嫁さんと子供はおみくじを引いてましたけど、僕は引かなかったですね。いつから引かなくなったんだろ?」と自問自答していた西谷監督。ここ10年で春夏4度の甲子園制覇を果たし、昨年も抜群の勝負勘からくる的確な采配でチームを近畿制覇へと導いた。

 またU-18日本代表の監督としても、清宮、オコエら注目選手に的確なアドバイスを送り、急成長。惜しくも決勝で米国に1-2で敗れたが、西谷監督の手腕をたたえる声は多かった。

 一発勝負の高校野球、ましてや激戦区の大阪でここ数年は2季連続して甲子園を逃していない指揮官。昨年、立ち上がりから相手の状況を把握し、終盤になって繰り出した一手が試合を分けたシーンをよく見てきた。勝負の場に邪念を入れない-。おみくじだけに限らず、フラットな状態で戦いに臨む信念が常勝軍団を率いる秘けつなのかもしれない。

 「今年のチームは特長がない。いい意味でバリエーションを持てる。高山が150キロ出しましたけど、投手のチームではないし、打のチームと呼べるほどの威圧感もない。とにかくしぶとくやっていく。勝ちにこだわったチームを作る」と力を込めた西谷監督。昨秋の近畿大会を制し、今春のセンバツ出場が確実な状況だ。

 「春に一度、勝負をかけたい。夏と二段構えで春の大旗を狙いたいと思っている」。12年に阪神・藤浪を擁して春夏連覇を達成して以来、4年ぶりとなるセンバツ制覇へ-。稀代の指揮官が打つ勝負の一手に注目が集まる。(デイリースポーツ・重松健三)

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