【スポーツ】女子BOXの新星・後藤 

 モデルボクサーの高野人母美(28)=協栄=の世界挑戦(11日、後楽園ホール)は、4回KO負けという無残な結果だった。試合後は「頭が真っ白で、今後のことはまだ考えられない」と、涙をこぼした。

 高野がボクシング人生の岐路に立つ一方で、9日にKO勝ちでデビューした大型新人がいる。2011年度の「ミス府中(東京都)」に輝いた後藤あゆみ(27)=ワタナベ=だ。身長178・5センチの高野に迫る174センチの長身。中学時代は陸上、高校時代はバスケットでインターハイに出るなど身体能力も高い。

 デビュー戦は圧勝だった。開始からワンツー、右フックを浴びせて中盤に最初のダウンを奪うと、防御を固めた相手を連打で圧倒し、1回1分26秒TKO勝ち。それでも「勝ててよかったけど、緊張して思ったようにいかなかった。ミット打ちの感じを試合で出さないと」と浮かれたところはない。

 ボクシングとの出会いは12年、勤務先の社長に勧められた。「会社の交流会で、プロレスラーのおなかを女子が殴る機会があって、私のパンチを見た社長が『ボクシングをやってみたら』と…」。

 最初は抵抗があったが「ケガやリスクを伴うけど、このまま淡々と生きていていいのかな。生活を変えようと思いました」と一念発起。リオ五輪を目指したが、試合数が少なくプロに転向した。

 右利きで、最初は右構えだったが「バスケットをしていたせいなのか、左足を前に出す構えがしっくりしない」と、左構えにすると見る見る上達した。精度の高い右ジャブと、破壊力抜群の左ストレートは、渡辺均会長を「彼女は強くなりますよ。楽しみ」と言わしめる。

 この秋、中身の濃い世界戦が続き活気づく女子ボクシング界に楽しみなルーキーが現れた。(デイリースポーツ・津舟哲也)

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