バスケ女子 エース渡嘉敷がリオへ導く

 バスケットボール女子の16年リオデジャネイロ五輪アジア予選を兼ねるアジア選手権が29日から中国・武漢で開幕する。13年大会覇者の日本代表は、2連覇とともに優勝チームのみに与えられる五輪出場権獲得に挑む。

 そのミッションの大きな鍵を握るのはエース、渡嘉敷来夢(らむ、24)=シアトル・ストーム=だ。今年6月に日本人3人目の米プロリーグWNBAプレーヤーとなり、27試合に出場するなど、着実に結果を残してきた。リーグ戦はまだ途中ながら、日本代表のため23日に帰国し、チームに合流した。

 まだ2カ月間ながら、最高峰リーグでの経験は193センチのエースをさらに大きくした。「こんなにバスケが楽しいと思ったのは初めてかもしれない」。競技を始めてから、その圧倒的なサイズと能力を武器に「勝って当たり前」のエリート街道を歩んできた。しかし、米国では相手のガードの選手にすら吹き飛ばされることもある。「仲間から『なんでそんなにヒョロヒョロなんだ』って言われます。試合では自分よりも凄い選手とマッチアップしてボロボロにされる。でもそれが本当に楽しい」。

 生き残るために、外めからのシュートや、ドライブを磨き、プレーの幅を広げた。当たり負けしないように、体重は、この2カ月で4キロ増加し85キロ。肌は少し荒れたが「プロテインの取り過ぎかな」と笑ってみせる。

 「体が強くなった。太ったように見えるかもしれないけど、逞しくなった。『あいつ太っただけじゃないな』と思ってもらえるプレーをしたい。ストームの仲間からも『誰も進化したタク(渡嘉敷の愛称)を知らない。アジアならみんな吹き飛ばせるんじゃない?』と言ってくれた」と大きくなった肩周りをさすりながら、米国での収穫を強調した。

 渡嘉敷不在の中、日本代表は親善試合を重ね、目下対外試合7連勝を飾った。ベースアップを果たしたチームに、一回り大きくなったエースが融合すれば、五輪切符は手の届くところにある。「自信はある。オフェンスファウルになってもいいぐらいの気持ちで、相手を吹き飛ばしていきたい」。日本にとって04年アテネ五輪以来の夢舞台へ、渡嘉敷が進撃する。(デイリースポーツ・大上謙吾)

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