未来へつなぐ真夏の侍対決 アピール

 今年8月26日、日本初開催の「U-18ワールドカップ」(8月28日から)の壮行試合として、侍ジャパン・高校日本代表と大学日本代表が対戦。史上初の世代を超えた侍対決が実現する。優勝を目指す上での強化とともに、もう一つの目的が代表戦へのプロモーション効果だ。

   ◇  ◇   

 「世代間を超えてマッチメークをするのは、新しい侍ジャパンをアピールできるという意味でも大きいですね」と、NPBエンタープライズの永井康晴氏は言う。「実は、高校日本代表が甲子園で戦った国際大会は以前にもあったのですが…」

 98年-。松坂世代が夏の甲子園を席巻した後の9月に、日本でAAAアジア野球選手権大会が開催された。

 横浜高・松坂大輔(現ソフトバンク)、鹿実・杉内俊哉(同巨人)、東福岡・村田修一(同巨人)、敦賀気比・東出輝裕(同広島)-。きら星のごとくタレントがそろった日本代表が、甲子園を舞台に優勝を果たした。だが、世間的には大きな注目を浴びることがなく、球場にも空席が目立っていた。

 「松坂世代による『ドリームチーム』でした。それだけに、もったいないなと。個人的な見解では、夏の甲子園大会から本大会までの期間が短く、思うようにアピールができなかったのではと思います」(NPBエンタープライズ・永井氏)。

 今回の試合では、NPBエンタープライズがチケット販売や会場作りなど、プロモーション面で協力。試合のテレビ中継も検討されている。これまで以上に、幅広いファンへアピールすることで、W杯の本大会への注目度も高めたい考えだ。

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を経て、野球日本代表「侍ジャパン」は認知されてきている。それでも永井氏は「サッカーなどに比べ、まだ代表のプライオリティーが高くないと感じます」と話す。

 トップ代表と同じユニホームを着て日の丸を背負い「もう一度、プロでも日の丸を付けて戦いたい」という思いを次代の選手たちへ意識付けるために、ユース世代の国際大会に目を向けてもらうことは、侍ジャパンの重要な使命でもある。

 将来のプロ野球を背負う世代が、互いの意地を懸けて戦う真剣勝負。その先に広がる世界への道-。さまざまな要素を含み、ファンにとって目の離せない試合となりそうだ。

(デイリースポーツ・中田康博)

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