楽天浮上のカギ握る“おっさんコンビ”

 今季、日本一からまさかの最下位に沈んだ楽天。巻き返しへ、リーグ5位のチーム防御率3・97と低迷した投手陣の底上げは急務だ。則本や辛島、松井裕などの若手に期待がかかる一方、44歳の斎藤、36歳の小山伸のベテラン右腕コンビも浮上のカギを握るだろう。

 斎藤は昨季、ダイヤモンドバックスから8年ぶりに日本球界に復帰し、日本一に貢献。今季も最年長セーブ記録を樹立するなど奮闘した。昨季より1試合多い31試合に登板したが、目標としていた40試合登板には届かなかった。

 07年に159キロをマークした右腕は、来季の目標を「40試合登板、150キロの復活」と挙げた。年齢に伴う衰えを防止すべく食生活の改善や、歯のかみ合わせの改善に取り組むなど、現在も向上心を失わない。そのストイックな姿勢は、間違いなく若手投手陣に刺激を与えるはずだ。

 一方、楽天の創設時から投手陣を支え続けた小山は今季どん底を味わった。「野球人生で最低のシーズンだった」。右肩の不安もあり、登板数は楽天入団後最低の10試合に終わった。来季年俸も今季の8000万円から3200万円に激減。来季は進退のかかる1年となる。

 球団との下交渉時に一度は「辞めてもいいかな」と思ったという小山伸。だが、今では持ち前の闘争心に火がついている。「いろいろ勢いのある若手投手がいるけど、これっぽっちも負けているつもりはない」。これまでも投手陣のまとめ役を担ってきた右腕。球団からは「お前がいないから、チームは(今季)この成績だった」と言われたほどで、常時1軍で活躍すれば精神的支柱としても、投手陣をもり立てることになるのは間違いない。

 球団も2人の存在の大きさを認めている。安部井チーム統括本部長は「(斎藤)隆さんと小山。2人の存在は非常に大きい。背中で見せてほしいし、若手に教えてほしい」と期待を寄せた。今年のドラフトでは157キロ右腕の安楽(済美)を獲得。若手に注目がいく楽天投手陣の中で、“おっさんコンビ”の果たす役割は、より一層大きなものになるだろう。

(デイリースポーツ・野畑圭司)

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