大迫傑6位入賞「100点満点の頑張り」現役ラスト、涙拭い「引き続きまっすぐ」

 6位でゴールし安堵の表情を見せる大迫傑(撮影・金田祐二)
 男子マラソン 6位でゴールする大迫傑=札幌市
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 「東京五輪・陸上男子マラソン」(8日、札幌大通公園発着)

 大迫傑(30)=ナイキ=が終盤まで食らいつく懸命の走りで6位に入った。タイムは2時間10分41秒だった。中村匠吾(28)=富士通=は2時間22分23秒で62位、服部勇馬(27)=トヨタ自動車=は2時間30分8秒で73位だった。

 先頭集団の中で序盤、中盤を走った大迫は30キロ過ぎにキプチョゲがスパートした時点で、先頭集団から引き離され8番手となった。

 しかし、その後も懸命の走りを続け、35キロ過ぎで2人を抜いて6番手に。単独で先頭を走るキプチョゲを除いた4人の2番手集団を目指す終盤になった。

 銀、銅のメダルを争う4人の2位集団はペースを大きくは落とさず。大迫は差を詰め切れずにフィニッシュした。ゴールの瞬間は右手で小さくガッツポーズもつくり、やや表情も緩めていた。

 大迫は7月29日に、自身のSNSとYouTubeチャンネルで今大会を最後に現役から退くことを電撃表明した。「8月8日のマラソンを現役選手としてのラストレースにします」。引退という単語は使わず、「東京を自分自身の競技人生の最高のゴールにするためです」とその理由を語っていた。

 NHKが放送した中継内のインタビューでは、「まっすぐ進んできた部分があったと思うので、競技以外でもまっすぐ進んでいきたいと思います」と語った。涙をタオルでぬぐいながら、「しっかり、次の世代につながるように、まだまだ、陸上界には関わっていきたいので、引き続きまっすぐ」と思いを吐き出した。

 大迫は早大では1、2年時に箱根駅伝1区で区間賞を獲得し、卒業後の15年に渡米。17年の初マラソンからこれまで計8回マラソンに出場し、2回も日本記録を更新するなど日本陸上界に貢献してきた。

 競技で結果を残し続ける一方で、近年は積極的に若手の育成に取り組んでいる。世界で戦うための強さを求める大学生ランナーを募ってチームを設立したほか、米国での経験を伝えるために小中学生対象のクリニックを開催。過去には「指導ということにすごく興味がある」と話しており、その思いを少しずつ形にしてきていた。

 ◆大迫傑(おおさこ・すぐる)1991年5月23日、東京都町田市出身。金井中で陸上を始め、長野・佐久長聖高では2年時に全国高校駅伝初優勝に貢献。早大では1、2年時に箱根駅伝1区で区間賞。16年リオデジャネイロ五輪はトラック2種目に出場した。14年に日清食品入りしたが、15年3月に契約を解消。同年からナイキ・オレゴン・プロジェクト所属。チームが解散した19年10月からはナイキ所属。マラソン2時間5分29秒は日本歴代2位。3000メートル7分40秒09、5000メートル13分8秒40は日本記録。170センチ、52キロ。

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