村上茉愛が日本勢最高5位 負傷も魂の演技「やっといい演技ができた」

 村上茉愛
 床運動でH難度の大技「シリバス」を決める村上茉愛の連続合成写真(左から右へ)
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 「東京五輪・体操女子個人総合・決勝」(29日、有明体操競技場)

 女子個人総合決勝で、日本女子のエース、村上茉愛(24)=日体ク=は4種目合計56・032点で5位に入り、日本勢で1960年ローマ、64年東京両五輪で6位の池田敬子を上回る最高順位となった。床運動で全体トップの14・000点をマークしたが、女子の個人種目で日本勢初の表彰台に1・167点及ばなかった。

 最後の演技を終えると、泣き顔になった。団体決勝の段違い平行棒で痛めたひじはあまり力が入らない状態だった。それでもやり通したのは、日本を背負ってきたエースの矜持。「5年間やってきたことを無駄にしたくなかった」。メダルには届かなかったが、魂の演技で日本女子最高順位の5位に立った。

 2019年に腰を痛め、そして東京五輪の1年延期。体操日本女子のエース村上は国際舞台が遠のく中、疑心暗鬼になりながら、がむしゃらに練習場で汗を流した。

 「自分は今、どのレベルにいるのか」。ため込んだ思いをぶつけた個人総合決勝で、全体トップだった床を含め、全4種目で予選を上回る得点をマーク。持てる力を出し切った。

 惜しくも五輪を逃した親友の寺本明日香の思いも背負って臨んだ大会。「自分がこの舞台に立てるのも、出場枠をとってきてくれた明日香のおかげ。やっといい演技ができた」。友の顔を思い浮かべ、胸を張った。

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