早田ひなが4強!謎の北朝鮮選手を撃破 フルセットの死闘制す 客席には金正恩総書記そっくりさん登場で異様な雰囲気に
「パリ五輪・卓球女子シングルス・準々決勝」(1日、パリ南アリーナ)
早田ひな(24)=日本生命=は北朝鮮のビョン・ソンギョンとフルセットの死闘。4-3(11-5、11-5、13-15、11-8、9-11、4-11、11-6)で競り勝ち、4強進出を決めた。女子シングルスでの4強は、日本勢では史上4人目となった。
データの少ない北朝鮮選手との対戦。序盤はペースを握り、11-5、11-5で2セットを連取した。だが、第3セットは粘り合いの末、11-13で初めてゲームを奪われた。
第4ゲームも1-5の劣勢からスタートしたが、7連続ポイントで形勢逆転。強打で悪い流れを断ち切り、11-8でこのゲームを奪った。
第5ゲームは5-9の展開から4連続ポイントで同点に追いついたが、最後は再び突き放され9-11で落とした。第6ゲームは完全に相手ペースで試合が進み、4-11で落とした。
スタンドには北朝鮮の金正恩総書記のそっくりさんも登場。試合終盤には警備員ともめる一幕もあった。徐々に調子を上げてきたビョン相手に重い空気に包まれたが、フルセットの末に何とか振り切った。
今大会は張本智和と組んだ混合ダブルスでは、北朝鮮ペアに敗戦。ビョン・ソンギョンとの戦いを前に「対策はできないが、戦術を変更しながら柔軟な頭を持って頑張りたい」と警戒していたが、難敵を撃破した。
◆早田ひな(はやた・ひな)2000年7月7日、北九州市出身。4歳から地元の石田卓球クラブでラケットを握った。幼少期から頭角を現し、小学5年の全国大会で優勝。16年12月の世界ジュニア選手権団体戦では同い年の伊藤美誠、平野美宇らと中国を破って優勝した。全日本選手権は20年大会でシングルス初制覇し、23年大会は3冠を達成。24年大会もシングルスで2連覇した。世界ランク5位。左ドライブ型。166センチ。