【五輪サイドストーリー】鍵山優真が語った理想のエース像「羽生くんと昌磨くんが」受け継がれた日本フィギュアの姿勢「本当にこうなりたいと思ってきた」
「ミラノ・コルティナ五輪・フィギュアスケート男子・フリー」(13日、ミラノ・アイススケートアリーナ)
男子フリーが行われ、22年北京五輪銀メダルの鍵山優真(22)=オリエンタルバイオ・中京大=は合計280・06点で2大会連続の銀メダルに輝いた。鍵山はこれで北京五輪の団体、個人銀メダル、今大会の団体銀メダルに続き4個目の五輪メダル。日本選手歴代最多となった。
鍵山には、追いかけてきた背中があった。「羽生くんと昌磨くんが自分の中では大きな存在」。五輪2大会連続金メダルの羽生結弦さんから宇野昌磨さんへ、そこから鍵山につながったエースの系譜。自覚と覚悟を持って、ミラノへやってきた。
「今回は自分が背中を見せる番。しっかりと胸を張って、日本代表を背負いって頑張りたい」
鍵山の目に映る、2人それぞれのエース像があった。
「2人が同じ姿勢ではなく、それぞれの在り方がある」
羽生さんには「ザ・アスリートという理想の姿がある」という。「常に勝ちを求めて、完璧に勝つ」。14年ソチ五輪、18年平昌五輪で連覇を果たし、世界を圧倒したヒーローに憧れを抱く。
宇野さんのことは「みんなで切磋琢磨(せっさたくま)して、みんなで強くなっていくのを率先して体現した方でもある」とチーム意識の強さを尊敬する。勝利を求めながらも「見てる人を感動させたいと思っていたりする」。年齢や立場を気にすることなく、刺激を与え合う関係でいてくれた宇野さん。「こういう先輩になりたい」と見習っている。
「その(2人の)立ち姿、行動だけで、本当にこうなりたいと思ってきた」。北京五輪までは「その姿を見て育ってきた」と、先輩たちの背中を頼りに歩んできた。しかし今は、2人からバトンを受け取った新たなエースとして舞台に立った。日本男子をけん引する存在として、「自分らしいエースの在り方を大事にしたい」と理想を語る。
「僕はどっち(の一面)も持っている」と話す。羽生さんのように、勝ちにはとことん貪欲で、宇野さんのように仲間と一喜一憂し、高め合う一面も持つ。「行動と胸を張った立ち姿で、自分なりの今の立場をつくり上げていきたい」と、自らのやり方で日本男子を引っ張ってきた。
「ナチュラルに、自然体でいることが一番大事。それがパフォーマンスにも強みになって現れる。やってきたことをそのままパフォーマンスに出すことがすごく大事」。エースである自覚と、その立場で世界と戦う覚悟。殻を破り、大きく羽ばたいた23歳が、背負った期待を、羽生さんに次ぐ2大会連続メダルという形に変えてみせた。
