平野歩夢 スケボーとの二刀流「成功かな」半年間で夏冬W五輪 前代未聞の挑戦振り返る

 金メダルに輝き、感慨深げに北京五輪のマスコットを見つめる平野歩夢(撮影・高部洋祐)
 スノーボード男子ハーフパイプ決勝で「トリプルコーク1440」を決める平野歩夢の連続合成写真(左から右へ)=共同
 東京五輪スケートボード男子パークで演技する平野歩夢
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 「北京五輪・スノーボード男子ハーフパイプ・決勝」(11日、雲頂スノーパーク)

 スノーボード男子ハーフパイプで2大会連続銀メダルに終わった18年平昌冬季五輪後の同年秋、スケートボードでの東京夏季五輪挑戦を表明した平野歩夢(23)=TOKIOインカラミ。半年間で夏冬両五輪を経験するという前代未聞の挑戦を振り返り「成功」と胸を張った。今後については「考えた上で、また自分の中のチャレンジを信じていきたい」と話した。

 前代未聞の歩みは、最高の形でフィナーレを迎え、幕を閉じた。18年平昌五輪後、スケートボードに転向し、夏季の東京五輪に参戦した平野。同五輪の1年延期により、わずか半年しか準備期間のなかった極限の“二刀流”の挑戦を終え「4年間の長いチャレンジを達成したなと思えた。成功かな」と胸を張った。

 同じ横向きのボードでも、足が固定されているスノボと、固定されていないスケボーは「似ているようでかけ離れている」という。昨年10月の雪上復帰ではまず感覚を取り戻すことに苦労した。

 合宿をともにしていた弟の海祝は「ハーフパイプ以外も思うように滑れていなかった」と振り返り、村上大輔コーチも「正直、平昌の滑りまでもってこられるかどうか」と思ったという。

 ただ、雪上の求道者はここから異次元の進化を遂げていく。午前にマットを使える施設で完ぺきにできるまで何十本もエアを跳び続け、午後には雪上で何十本も跳んだ。誰よりも長く、スノボと向き合った。

 二刀流の思わぬ副産物もあった。不安定な車輪で跳ぶため、寸分の狂いも許されないジャンプが求められるスケボーの感覚が、パイプの淵ギリギリでの踏み切りを可能にし、より高さを出せるようになった。トリプルコークも習得。滑りは安定感を増した。

 精神面でもスノボとは違い、自分がトップではないスケボーを経験したことで、「自分の気持ち、やりたいことに向き合えた」という。この日、きっぱりと言った。

 「この4年間が過去の自分よりも強くしてくれた」-。

 誰も行かない道を行く。大リーグで投打の二刀流で歴史を作った大谷翔平に共感し、言ったことがある。「あり得なかったことが認められ、新しい貫き方が出てきている」。過去2大会届かなかった頂点。いばらの中に黄金色の答えがあった。

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