羽生、連覇から中3日、夢の4回転半へひたすらアクセル跳んだ

 フィギュアスケート男子シングルで66年ぶりの五輪2連覇を達成した羽生結弦(23)=ANA=が21日、偉業から中3日で再始動した。練習リンクに登場した羽生は、半回転からアクセルジャンプの踏み切りや回転を入念に確認。計14本連続でアクセルのみを跳び続けた。18日の会見で「モチベーションは4回転アクセルだけ」と話していた男が、夢の大技を習得するべく、早くも動き始めた。

 歴史的偉業を成し遂げた銀盤のヒーローが、競技生活における最後の夢へ走り始めた。

 五輪連覇から3日ぶりにリンクに姿を見せた羽生は、氷上に図柄を描く基礎練習・コンパルソリーから滑りを確認した後、満を持してジャンプを跳び始めた。1回転トーループからスタートし徐々に回転数を上げていくと、アクセルジャンプの練習へ。半回転から始めて、回転の始動を遅らせた高さのある1回転半ジャンプ、そして通常よりも飛距離のあるトリプルアクセルを何度も敢行。転倒もあったが、計14本連続でアクセルのみを跳び続けた。

 18日の会見で「もうちょっとだけ自分の人生をスケートに懸けたい。もう獲るべきものは獲ったし、モチベーションは4回転アクセルだけ」と話していた羽生。幼い頃から夢見てきた大技習得を意識した練習であることは明らかだった。

 昨年11月にじん帯を損傷した右足は、まだ痛み止めを飲まないとジャンプが跳べないほどの状態。それでも思いついたら、いてもたってもいられないのが、羽生結弦という男だ。練習では失敗の度に「ヒャ~」や「アハハ」と笑い、心の底から挑戦を楽しんでいるようだった。

 「『アクセルは王様のジャンプ』。アクセルが得意で、アクセルが大好きでいられることに感謝しながら挑戦していきたい」。まだ誰も成功させていない“キング・オブ・キング”の究極技習得へ、笑顔とともに羽生の最後の挑戦が始まった。

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