競歩・荒井、接触選手から「謝ってきてハグした」 選手間に問題なし

 「リオ五輪・陸上男子50km競歩」(19日、ポンタル周回コース)

 3番手でゴールしながら、レース中の接触により失格処分を受けていた日本の荒井広宙(ひろおき、28)=自衛隊体育学校=は、失格取り消しを求めていた日本側の上訴が認められ、銅メダルを獲得した。一度は幻に終わったかに思われた日本競歩界初のメダルが復活した。天国から地獄、そして再び天国へと紆余曲折を経てのメダル確定に、荒井は「選手同士に問題はなかった」と、レース直後は接触があったダンフィー(カナダ)とハグをしていたことも明かした。

 レースの残り500メートル付近で3位争いを繰り広げていた荒井とダンフィーが接触。その後、ダンフィーがフォームを崩して失速し、荒井が表彰台を守りきった。しかし、カナダチームからの抗議で、一度、荒井は失格処分となっていた。

 ただ、ダンフィーとは「カナダの選手から謝ってきてハグした。選手同士に問題はなかった」としこりはなかったという。荒井自身は「悪いこと(失格になるようなことをした)とは思ってなかった」と問題なしと感じていたが、不安な思いは胸の中で渦巻いていた。

 「ゴールしてカナダが抗議したと聞いて、失格になるかと思ったが、皆さんのおかげ、無事確定しました」と振り返った荒井。「ダメだったらどうしようとか、でも獲れたらどうしようとか考えていた。結果として獲れて感謝しています」と紆余曲折を経てのメダル獲得に、喜びをかみしめた。

 当初、失格となったことには「なんでかなと。納得ができなかった。ぶつかることは、よくあるので」と不服にも感じていたが、日本陸連の上訴が認められ、一度は幻に消えたかと思われた銅メダルが荒井に戻ってきた。「陸連の人たちがあきらめずに対応してくれて良かった。この先、世界選手権も東京五輪もあるので、もっと上を目指していきたい」と今後を見据えた。

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