白血病の早川に五輪1勝を届ける 日本が決勝T懸け運命のスウェーデン戦へ

 スウェーデン戦に向け調整する植田(左端)ら日本イレブン
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 「リオ五輪・サッカー男子・1次リーグ、日本-スウェーデン」(10日、フォンチノバ・アリーナ)

 リオデジャネイロ五輪に出場しているサッカー男子日本代表は、10日(日本時間11日)にサルバドルで1次リーグB組最終戦のスウェーデン戦を迎える。9日(同10日)は軽めの調整で決戦に備えた。DF岩波拓也(22)=神戸=らは、リオ五輪世代で6月に急性白血病と診断されたことを発表したDF早川史哉(22)=新潟=に初白星を届ける決意だ。

 病と闘う友に五輪での1勝を届ける。急性白血病であることが発表された早川は、岩波らリオ世代の一部にとって8強に進出した11年U-17W杯のチームメートでもある。

 6月初旬、まだ病気が公となる前に、早川から岩波へLINEのテレビ電話で報告があった。既に治療が始まり、髪は丸刈りになっていた。「悲しい気持ちになった。あんないいヤツがなんで…」。早川が筑波大在学中には茨城まで会いに出掛け、食事をするなど仲も良かった。岩波にとってはプロになって初めてユニホームを交換した相手でもあった。

 「自分たちのプレーを見てまたサッカーがやりたい気持ちになればリハビリにも励める。何かできないか」。岩波はU-17W杯当時のメンバーに呼び掛け、激励のビデオメッセージを送ることを発案。6月18日の鹿島戦(ノエスタ)前には、自らクラブに申し出て募金活動にも立った。

 同じく早川から直接連絡を受けていた南野は「全力でプレーして少しでも勇気付けられれば」と心を痛め、室屋は中島らと共に「元気になってまた会える日を楽しみにしています」と言葉を贈った。新潟のチームメートでもある鈴木は「活躍することがあいつの喜びにもなる。今いる場所で勝って、メダルを取って帰ることが自分たちにできること」と決意を新たにした。

 岩波のもとに集められた動画は大会の合間を縫って編集され、近々早川のもとに送られる。早川は病床から、かつての戦友たちの戦いを見届けているという。準々決勝進出をもたらすだけではない、意味ある勝利を手にする。

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