藤春OGイジリで一丸 手倉森監督「自信回復を」

 「リオ五輪・サッカー男子・1次リーグ、日本-スウェーデン」(10日、フォンチノバ・アリーナ)

 サッカー男子の日本は2-2で引き分けた1次リーグB組コロンビア戦から一夜明けた8日(日本時間9日)、北部マナウスで軽めの調整を行った。練習前の円陣では、コロンビア戦でオウンゴールを献上したオーバーエージ(OA)枠のDF藤春広輝(27)=G大阪=がイジられ、チームに明るさが戻った。日本は9日未明、チャーター機で10日(同11日)にスウェーデン戦が行われるサルバドル入りした。

 藤春にいつもの笑顔が戻った。練習前の円陣。手倉森監督がオウンゴールを犯した藤春の姿を「カモシカが鉄砲で撃たれたみたいだった」と絶妙の例えでイジった。沸き起こった笑いにつられて笑みを見せた藤春に向かって、両隣にいた岩波と亀川の“関西人コンビ”が「反省してへんやん」と突っ込みを入れる。円陣は再び笑いに包まれ、重苦しい雰囲気は一掃された。

 中2日の連戦では身体の回復はもちろん、指揮官が「自信を回復させたい」と5失点した初戦のDFラインを据え置いたように、精神面の回復も重要となってくる。試合後、涙に暮れた藤春の心を切り替えさせることも、スウェーデン戦に向けた課題の一つだった。

 96年アトランタ大会でオウンゴールを記録した秋葉コーチは「俺も経験したことある。気にする必要はない」と声を掛け、左サイドでコンビを組む中島も「次は俺にアシストして」と励ました。周囲の優しい気遣いが「なんか、うれしかった」と心にしみた。

 一夜で傷が癒えたわけではない。「一人だけ暗いとチームの雰囲気も悪くなる。難しいけど、なるべく笑えるように」と、悔しさを笑顔で覆い隠して前を向く。次戦に勝つか引き分ければ、他会場の結果次第で準々決勝進出の可能性が残る。「(オウンゴールを)笑い話にできれば」。汚名返上のチャンスは、必ず訪れるはずだ。

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