手倉森Jドタバタ5失点 OA枠機能せず守備崩壊

 「リオ五輪・サッカー男子・1次リーグ、日本4-5ナイジェリア」(4日、アマゾニア・アリーナ)

 男子1次リーグが始まり、B組の日本はナイジェリアに4-5で敗れて黒星発進となった。オーバーエージ(OA)枠を起用した守備陣に連係ミスが相次ぎ、ナイジェリアの20歳MFエテボに4得点を献上するなど、手倉森誠監督(48)の就任以降ではワーストとなる5失点を喫した。同組のコロンビアとスウェーデンが2-2で引き分けたため、日本は最下位。7日(日本時間8日)の第2戦でコロンビアに敗れると敗退が決まる。

 蒸し暑さが絡みつくマナウスの夜に、悪夢のような光景が広がった。メダル獲得へ踏み出すはずの初陣で、日本が次々と失点を重ねた。アジア制覇を支えた強固な守備陣が、世界の舞台でもろくも崩壊。5失点は14年1月のチーム立ち上げ以降最多、日本の五輪サッカーの歴史をさかのぼっても、68年メキシコ大会準決勝ハンガリー戦(0-5)以来のワースト2位タイ。手倉森監督は「与えた失点が多すぎた」と悔やんだ。

 失点はいずれもミス絡みだった。1点目は藤春と中島で挟み込みながらも、相手1人からボールを奪えず突破を許した。2点目は室屋がクロスボールの目測を誤り、前半終了間際の失点は塩谷がペナルティーエリア内で相手に寄せ切れず、植田がヘディングでクリアミスを犯した。

 後半に入ってもミスの連鎖は止まらない。開始直後に塩谷と室屋が見合ったボールを奪われ、最後は塩谷がPKを献上。5失点目は大島から藤春へのバックパスが狙われたことに端を発した。

 最終ライン4人のうち、塩谷、藤春のオーバーエージ(OA)枠2人を起用したことで生じた連係のひずみが、大量失点となって浮き彫りになった。塩谷は「そこは素直に認めないといけない」と受け止めたが、気持ちを整理できない植田と室屋は無言で取材エリアを通り過ぎた。

 ナイジェリアは試合開始6時間半前に現地入り。調整不足は明らかで終盤は完全に足が止まった。だが、日本が得たはずだったコンディションの優位性は個人の能力差で簡単に埋められてしまった。開始6分で先制を許すと4分間で2失点。浮足立ったまま修正は利かず、中島は「このチームがこれだけ失点したのは信じられない」とうなだれた。

 中2日の次戦コロンビア戦に敗れれば敗退が決定する。いきなり崖っぷちに追い込まれた手倉森監督は「危機感の中でたくましさを示し、挽回力を見せられれば。これで終わるわけにはいかない」。『耐えて勝つ』という原点に立ち返り、守備陣の立て直しが急務となる。

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