女子2大会連続入賞なし木崎16位が最高

 「ロンドン五輪・女子マラソン」(5日、マル発着周回コース)

 バッキンガム宮殿前の大通りを発着点にロンドン市内を3周するコースで行われ、木崎良子(27)=ダイハツ=が2時間27分16秒で16位になったのが日本人最高で、2大会続けてメダルと入賞を逃した。尾崎好美(31)=第一生命=は2時間27分43秒の19位、重友梨佐(24)=天満屋=は2時間40分6秒の79位に沈んだ。24歳のゲラナ(エチオピア)が2時間23分7秒の五輪新記録で優勝した。

 バルセロナとアトランタの有森裕子、シドニーの高橋尚子、アテネの野口みずき…。4大会連続のメダル獲得で“お家芸”とまで言われた日本の女子マラソン。前回北京でメダルを失った雪辱を期したが、最高位が木崎の16位という惨敗だった。柔道男子と同様、ロンドンで「落日」の時を迎えた。

 冷たい雨と水たまり、狭い路上と起伏、曲がり角に石畳や路地…。市街地の難コースに苦戦した。バルセロナ五輪4位でメダルを逃した山下佐知子監督は、尾崎に「五輪には魔物がいる。私はそいつに食われた」とレース前に伝えた。尾崎は「魔物は感じなかった」と15キロ地点では52分10秒でトップに躍進。山下監督の「走りにくければ前に行け!!」という指示を敢行した。

 「仕上がり具合は90%」と豪語した尾崎は快調に飛ばしたが、20キロで25位に急降下。一瞬でも見せ場をつくった尾崎はまだしも、木崎と重友は浮上することなくレースを終えた。

 山下監督は「力不足。それがすべて」とうなだれた。弟子の尾崎について「90%は大風呂敷。悲しいけど、タイム的にはあれで精一杯」と海外勢との距離を嘆いた。尾崎は「後半ペースアップできれば入賞もあった。残念。スピードが足りない」と肩を落とせば、「入賞できなかったのは力不足。足が動かなかった」と木崎。重友は「自分の弱さを感じた」と続けた。

 山下監督が「狭いのは勘弁して欲しい」と指摘した難コースだが、木崎は影響について「実力です」と完敗を認めた。「海外勢はスタミナとパワーがあった。自分にはそれがなかった」と潔く認めた。「このままでは終わりたくない」(尾崎)、「現役は続ける」(木崎)、「(次回五輪へ)チャンスがあるならまた頑張りたい」(重友)。3人ともリベンジを誓ったが…。

 山下監督は「五輪前から手ごたえがなかった」‐。伝統の崩壊後、1からの再出発となるが、アフリカ勢をはじめとした世界との距離は広がるばかりだ。

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