覇気のないU22選抜が町田に敗れる

 「J3、町田1-0U22選抜」(23日、町田)

 16年リオデジャネイロ五輪を目指すサッカーU-22(22歳以下)日本代表の主力メンバーを集め、手倉森誠監督(47)が指揮を執ったJ3・U-22選抜が2位町田に0-1で敗れた。来年1月に行われる五輪アジア最終予選(カタール)に向けて不安だけが残った。

 目を覆いたくなるような内容だった。リオ五輪アジア最終予選を兼ねたU-23アジア選手権の組み合わせが決定して初めての公式戦。U-22代表の強化策の一環としてJ1中心に主力16人を招集して臨んだ一戦だったが、J2昇格に懸ける町田の気迫に圧倒された。連係を欠いた攻撃は決定機すら作れず無得点。後半はわずかシュート2本に抑え込まれ、同27分には左CKから191センチの長身FW戸島に頭で決められた。終盤にはDF植田直通(20)=鹿島=を最前線に上げ、パワープレーも試みたが不発に終わった。

 コーチ登録として指揮を執った手倉森監督は「負けた事実を厳しく受け止めないといけない。攻撃でリスクを冒せなかったことが得点を取れなかった原因」と厳しい表情で振り返った。一部選手に出場時間の制限が設けられていたため、後半開始からベンチスタートだったフィールドプレーヤー4人を全て投入し、急造3バックの布陣で臨まざるを得なかった。思うような采配を振るえなかった指揮官は「流れの中で変化をつけられず歯がゆかった」と唇を噛んだ。

 7月に仙台で行われたコスタリカ戦(2○0)で好ゲームを演じた同代表だったが、8月のJ2京都との練習試合に続く連敗。下降線を辿るチームに、FW浅野拓磨(20)=広島=は「(コスタリカ戦の)半分の力も出せていない」と首をかしげた。DF岩波拓也(21)=神戸=は「言い訳のできない負け」とうつむき、フル出場したMF中島翔哉(21)=FC東京=は「個人の力不足、クオリティーの問題。選手としての能力が足りない」と選手たちは反省の言葉を並べた。

 ただ、技術以前に戦う姿勢が足りていない。覇気の感じられない一戦に視察した日本協会の霜田正浩技術委員長(48)は「これが公式戦の厳しさ。(代表とは)ユニホームは違うが一枚下には日の丸を背負っている」と代表としての自覚を促した。

 最終予選まで残り3カ月半。手倉森監督は「メンバー構成を考えろというメッセージ。選手の組み合わせであと30%は(チーム力を)上げられる。負けたことでやることが明確になった」と攻撃陣を中心にメンバーの入れ替えも示唆した。次回の活動は10月下旬の九州合宿となる。「1秒も無駄にできない」という中島の言葉が、募る危機感を物語っていた。

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